常盤堂雷おこし本舗

株式会社常盤堂雷おこし本舗の紹介

株式会社常盤堂雷おこし本舗（たきわどうかみなりおこしほんぽ）は、東京都台東区浅草に本社を構える著名な製菓会社です。主に雷おこしの製造・販売に特化しており、その歴史は江戸時代にまでさかのぼります。雷おこしは、1795年に焼失した雷門を再建する際に、露天商が初めて販売したとされており、この伝統を引き継いでいるのが同社です。

雷おこしの起源と歴史

雷おこしは、江戸時代末期から始まったお菓子で、当初は現代のような製法ではなく、もっとシンプルな形で製造されていました。歌川広重の描いた作品にも「常盤堂」の名が見られることから、当社の存在はその時代から知られていたようです。しかし、第二次世界大戦により多くの資料が失われたため、詳細な歴史は不明な部分が多いものの、2009年には創業250年、2012年には200年以上前から続いているとの報道がなされました。

会社の発展と多角化

1950年に株式会社としての体制を整えた常盤堂は、1967年から東京都内の百貨店への販売を始め、1972年には埼玉県に工場を設立するなど、事業の拡大を図りました。また、昭和40年代から50年代にかけては、海外進出に乗り出し、マレーシアやタイ王国に合弁会社を設立、さらにシンガポールには完全子会社を設立しています。加えて、観光事業として自社の飲食店を開いたり、関連商品を開発したりしました。

1996年には3代目社長の就任を受けて経営の見直しが行われました。不況の影響を受け、工場の統合や商品改良に力を入れ、雷おこしの製法を見直すことで、より柔らかく上品な味わいに進化させました。この取り組みのおかげで、年配層からの支持を受けるなどの成功を収めました。2000年代後半には、もんじゃ焼きや抹茶、チョコレートを使った新たな商品を開発し、多彩なラインナップを持つようになります。

雷5656会館と観光事業

会社の一環として1986年に開設された「雷5656会館」は、浅草に位置する常盤堂の自社ビルで、観光客向けの施設としても機能しています。設計は三社祭の神輿をイメージしたものです。この会館には売店や観光バスが駐車できる施設が備えられ、2022年には雷おこしの工房が新たに開設され、製造プロセスの見学や体験ができるようになりました。

ユニークな製品とイベント

2003年の時点で、常盤堂は約100種類の雷おこしを販売しており、バリエーション豊かな商品展開を行っています。また、地域のイベントにも参加し、地元のマスコットキャラクターをテーマにした商品を提供するなど、浅草を代表する企業として活動しています。これにより、伝統を守りつつも時代に応じた新たな挑戦を続けています。

常盤堂雷おこし本舗は、ただのお菓子メーカーにとどまらず、地域の文化や伝統を体現する企業として、今後もさらなる成長が期待されます。

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