常磐神社

常磐神社は、茨城県水戸市にある神社で、水戸藩の藩祖である徳川光圀（水戸黄門として知られる義公）と、その子孫である徳川斉昭（烈公）を祀っています。この神社は、江戸時代後期から明治時代初期にかけて、各地で藩祖を祀る神社が建立された流れの中で、比較的新しい神社として創建されました。

祭神

高譲味道根之命（たかゆずるうましみちね の みこと）：徳川光圀公（義公）をお祀りしています。
押健男国之御楯命（おしたけおくにのみたて の みこと）：徳川斉昭公（烈公）をお祀りしています。

また、常磐神社では、徳川斉昭公が日本の国旗である日の丸を定めたことにちなみ、国旗制定祈念祭という神事が行われています。

歴史

常磐神社の創建は、明治時代初期に遡ります。水戸藩士たちが、光圀公と斉昭公の徳を偲び、偕楽園内に祠堂を建てたのが始まりです。その後、明治6年（1873年）に「常磐神社」という社号が勅旨によって定められ、同年10月にはそれぞれの祭神の神号も定められました。翌年の明治7年（1874年）には、現在の場所に社殿が造営され、明治15年には別格官幣社に列格しました。

この神社は、水戸黄門でおなじみの葵紋がデザインされた印籠を模した「印籠守」を授与していることでも知られています。この印籠守は、雑誌「サライ」で紹介されたことで、大きな反響を呼びました。

境内社

常磐神社の境内には、以下の摂社や末社が鎮座しています。

東湖神社：藤田東湖命をお祀りしています。境内西側に位置し、東を向いて建っています。切妻造の拝殿と神明造の本殿を持つ、格式高い神社です。東湖神社は、もともと鎮霊社（現在の茨城県護国神社）があった場所に、1943年（昭和18年）に創建されました。例祭は5月4日に行われます。
三木神社：三木之次命と三木武佐命をお祀りしています。三木之次は、徳川光圀公の育ての親として知られています。本社本殿の左隣に位置し、東を向いて建っています。
常磐稲荷神社：宇迦之御魂命をお祀りしています。本社本殿の右隣に位置し、南を向いて建っています。

境内施設

常磐神社には、以下の施設も併設されています。

義烈館：歴史に関する展示を行っています。
能舞台：伝統芸能である能が上演されます。

交通

JR常磐線・鹿島臨海鉄道大洗鹿島線「水戸駅」からアクセスできます。
JR東日本常磐線「偕楽園駅」（臨時駅）も利用可能です。
駐車場もあります。

関連図書

常磐神社に関する詳細な情報は、以下の書籍で参照できます。

二六興信所編纂、山田米吉編『勤王事蹟別格官幣社精史』二六興信所、1935年。
安津素彦、梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年。
白井永二、土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年。

外部リンク

常磐神社（公式HP）)
* 常磐神社（茨城県神社庁）)

常磐神社は、水戸藩の歴史と文化を伝える貴重な場所です。水戸を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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