常陸國總社宮大祭

常陸國總社宮例大祭（石岡のおまつり）

常陸國總社宮例大祭は、茨城県石岡市で毎年9月の敬老の日を含む土・日・月に開催される、関東三大祭りの一つに数えられる盛大な祭礼です。別名「石岡のおまつり」として地元の人々に親しまれています。その起源は8世紀頃に遡り、武家階級が武運長久と五穀豊穣を祈願したことが始まりとされています。それが庶民へと広がり、現在のような賑やかな祭りへと発展しました。

祭りの概要

現在では、3日間の祭礼期間中に約50万人もの観光客が訪れます。祭りの見どころは、豪華絢爛な12台の山車と、勇壮な32台の獅子が市内を練り歩く姿です。これらの出し物は、無病息災や交通安全などを願いながら、市内を活気付けます。

神輿

祭りで使用される神輿は、明治30年に石岡市の棟梁によって制作されました。その後、平成9年に修復されています。特徴的なのは、屋根紋に十六菊花紋が施されている点です。天皇家の十六八重菊紋を付けた御神輿を持つ神社は全国的にも珍しく、日本に3社しかないと言われています。

ささら

「ささら」は、冨田町のみで行われる特別な出し物で、祭礼の中で最も格式が高いとされています。老獅子、若獅子、女獅子という3種類の獅子があり、それぞれ角の有無などで区別されています。

山車

石岡のお祭りで最も目を引くのが、豪華な装飾が施された山車です。山車の上では、大太鼓、締め太鼓、笛、鉦によるお囃子が演奏されます。石岡の山車は独特の構造をしており、正面に踊り場、向かって右に囃子方、右側に笛師、左側に鉦方が配置されます。踊り場では、四丁目（おかめ）、仁羽（ひょっとこ）、新馬鹿（きつね）の3つの演目が披露されます。

お囃子は「石岡囃子」と呼ばれ、旧石岡町周辺の農村地域で伝承されてきた祭囃子が元になっています。石岡囃子は、三村流（旧三村の三村囃子）と染谷流（旧染谷村の染谷囃子）の2つの系統に分かれます。三村流は、新馬鹿（きつね）や笛、鉦が入らない撒喜利で区別できます。三村流、染谷流ともに、石岡囃子として県指定無形民俗文化財に指定されています。

金丸町の弁財天と山車は、大正11年に東京日本橋の魚河岸から購入されたものとされています。山車人形の弁財天は、古川長延の作とされ、江戸天下祭にも数回出展されました。中町の日本武尊は、明治29年に三代目原舟月によって制作され、原舟月の最後の作品と言われています。これらの山車人形は、市指定有形民俗文化財に指定されています。

獅子

石岡の獅子は、独特なスタイルが特徴です。獅子小屋に幌をかぶせ、その先に獅子頭を付け、それを人がかぶって舞い進みます。獅子の重さは各町によって異なりますが、約20kgほどあります。

土橋町の獅子は、檜材を彫ったもので、表面の漆の下には神札が貼られているとされています。格式が高く、冨田町のささら、仲之内町の獅子とともに、総社宮の中で奉納舞を舞うことが許されています。また、昇殿の舞という独特の舞があり、幣束と鈴を持ち2人一組で舞います。土橋町の獅子頭は、茨城県指定有形民俗文化財に、囃子は茨城県指定無形民俗文化財に指定されています。

仲之内の獅子は、全町内で最も大きくて重く、約26kg以上あります。制作年代（明治29年）と作者が明確になっているものの中では最も古いものです。欅材を用いた特殊な制作方法で作られています。伝承は絶えていますが、仲之内町でも明治期には昇殿の舞が舞われていました。冨田町のささら、土橋町の獅子とともに、総社宮で奉納舞を舞います。獅子頭は、市指定有形民俗文化財に指定されています。

年番制度

石岡のおまつりは、年番制度の下で執り行われます。年番制度とは、各町内が毎年交代で祭礼を執り行う制度で、現在では15町内が年番町となっています。年番町には、御仮殿が設営され、祭礼期間中、御神輿と御神霊が鎮座します。この制度は、明治20年に始まりました。

アクセス

鉄道利用:
JR常磐線石岡駅下車。

車利用:
常磐自動車道千代田石岡ICから国道6号で約10分。臨時駐車場あり。

航空機利用:
茨城空港から関東鉄道石岡駅行きの路線バスに乗車し、終点下車。

※祭り期間中は、石岡市運動公園や玉里B&G海洋センターにも臨時駐車場が設けられており、そこから「かしてつバス」を利用したパーク&ライドが推奨されています。

備考

祭りの2日目にあたる奉祝祭の日には、かつて茨城放送の番組が放送されていましたが、2022年度以降は放送されていません。2020年度と2021年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、神事を除いて中止となりましたが、2022年度は感染対策を講じた上で3年ぶりに通常開催されました。

関連情報

常陸國總社宮

外部リンク

常陸國總社宮公式サイト)
石岡だっぺ！ 常陸國總社宮大祭 - ウェイバックマシン
石岡のお祭り 守横町
石岡はやし 若松連 - ウェイバックマシン
國分町青年會

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