幕が上がる

映画『幕が上がる』

概要

「幕が上がる」は、2015年に公開された日本の青春映画で、原作は同名の小説です。この作品は、演劇部の日常と成長を追い、主演に選ばれたのはももいろクローバーZのメンバーたちです。本作は、幅広い世代から共感を得ることを目指して制作されました。

映画は、第40回報知映画賞において特別賞を受賞し、また日本アカデミー賞の話題賞にも選ばれました。単なるアイドル映画ではなく、演劇や人間の成長を描く物語として評価されています。文部科学省による選定を受け、学校の授業でも使用されています。

ストーリー

物語は地方の高校にある弱小の演劇部を舞台にしています。顧問の溝口教師は演劇の経験が乏しいため、困惑しつつも部員たちを見守っています。メンバーは部長のさおりを中心に、個性的なキャラクターが揃い、次第に絆を深めていきます。

新たに赴任してきた吉岡教師が演劇部に刺激を与え、一人芝居を通して部員たちの潜在能力が開花します。部員たちは彼女に触発され、全国大会を目指すことを決意します。そんな中、転校生の中西さんが加わり、彼女との対話が部員たちの成長を促します。

彼女たちは名作『銀河鉄道の夜』を演目に選び、高校演劇大会に向けて練習に励みます。演技の練習をする中で、彼女たちは数々の壁にぶつかりながらも、友情や信頼を築いていき、共に困難を乗り越える力を得ていきます。物語の進行とともに、吉岡教師も自らの進むべき道に迷いを感じ始め、教師としての役割と役者としての道を天秤にかける葛藤が描かれます。

製作背景

監督の本広克行は、この作品を自らの集大成として位置づけ、現代の青春を描くことに情熱を注ぎました。特に、ももいろクローバーZのメンバーが持つ、困難を乗り越えて成功を掴んだ実績が彼女たちの演技に活かされています。脚本には、元々舞台役者であり、映画『桐島、部活やめるってよ』で評価を受けた喜安浩平が参加しました。

彼女たちは、撮影前に約25時間の演劇ワークショップを受け、役者としての技術を向上させました。この過程が、より自然で説得力のある演技へと繋がったのです。

公開と評価

映画は、低予算ながらも口コミを重視したキャンペーンを展開し、スタートから多くの観客を集めました。公開週末には、興行収入ランキングで4位にランクインするなど大成功を収めました。多くの視点から肯定的な意見が寄せられ、映画業界だけでなく、一般の観客からも高く評価されています。特に、自然な演技やストーリーの重さが、観客に深い感動を与える要因となっています。

受賞歴

『幕が上がる』は、数々の映画祭での受賞歴を誇り、第40回報知映画賞、キネマ旬報ベスト・テン、毎日映画コンクールなどで特別な栄誉を得ています。さらに、文部科学省の選定を受け、教育の一環としても注目されています。

まとめ

この映画は、青春の熱さや仲間との絆、演劇の力を題材にした感動的な作品です。演劇という舞台で、彼女たちがどのように変わっていくのか、その成長を見守る過程は、多くの人々に勇気や感動を与え、心に響くものとなることでしょう。

もう一度検索