幕内雅敏

幕内雅敏の経歴と業績

幕内雅敏（まくうちまさとし）は、1946年8月12日生まれの日本の外科医であり、特に肝臓外科の分野において世界的に名を馳せています。彼は東京大学の医学部を卒業し、以後のキャリアにおいて多くの医療機関で重要な役職を歴任しました。

生い立ちと医学の道

東京都目黒区柿の木坂に生まれた幕内氏は、著名な外科医である父、幕内精一に影響を受けて医師を志しました。学業は順調で、東京学芸大学附属世田谷小学校からはじまり、その後東京学芸大学附属世田谷中学校、さらに東京都立日比谷高等学校へ進学。1973年に東京大学医学部を卒業しました。

彼が外科医として進んだのは、肝臓外科の専門分野でした。当時この分野では専門医が非常に少なかったため、幕内氏はこの課題に挑んだのです。

肝臓外科手術の革新

1970年代末、幕内氏は肝臓を血管の支配領域ごとに8つに分けて、最小限の切除で済む「系統的区域切除術（幕内式肝切除）」を開発しました。この手法は、肝臓疾患を抱える患者にとって画期的なものであり、世界中の外科医に影響を与えることとなります。

また、1990年6月15日には生体肝移植に成功し、これも肝臓外科の進展に寄与した重要な業績の一つです。

医療機関での職務

医療キャリアの中で、幕内氏は次々と重要な役職を歴任してきました。1988年には国立がんセンター病院の外来部外科医長に就任し、1989年には同病院の手術部長、さらに信州大学医学部第一外科教授に就任しました。

1994年には東京大学医学部の第二外科教授となり、1997年には肝胆膵外科や人工臓器・移植外科の教授に昇進しました。2007年からは日本赤十字社医療センターの院長を務め、2017年からは医療法人社団大坪会東和病院の院長として、医療現場でのリーダーシップを発揮してきました。

メディアへの露出

外科医としての技能を多くの人々に知ってもらうため、彼は2007年にNHK総合のテレビ番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』にも出演しました。この番組では、彼の医療に対する情熱や肝臓外科手術の技法について、多くの視聴者に影響を与えました。

家族について

幕内雅敏氏の家族も医療業界において注目されています。兄の幕内博康氏は、東海大学の消化器外科学主任教授および東海大学医学部付属病院の院長を務めています。医療の家系に生まれ育った幕内氏は、家族の影響を受けながら、自身の道を切り開いてきました。

最後に

幕内雅敏氏の業績は、肝臓外科手術の分野の進化に大いに寄与し続けています。その功績は、後続の外科医にとっての道標となっており、医療界にとって大きな影響を与えています。

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