幡多けんみん病院

高知県立幡多けんみん病院は、高知県宿毛市に所在する、地域医療における重要な役割を担う医療機関です。幡多地域の3市3町村を対象とする広範な地域において、中核的な医療サービスを提供しており、この地域における医療機関の中で最大の病床数を誇ります。

当院の歴史は、1948年5月1日に日本医療団から施設を引き継ぎ、高知県立宿毛病院として開院したことに始まります。その後、1951年7月11日に幡多郡中村町に設置された高知県立幡多結核療養所（後の高知県立西南病院）との統合を経て、1999年4月24日に現在の高知県立幡多けんみん病院が発足しました。二つの病院の資源と機能を結集し、より包括的な医療提供体制を確立しました。

高知県立幡多けんみん病院は、その機能と貢献が認められ、様々な公的な指定を受けています。特に、高知県災害拠点病院としての指定は、大規模な災害発生時における医療支援の中心的役割を期待されていることを示しています。また、2012年4月1日には地域がん診療連携拠点病院に指定され、がん医療においても高度な専門性を提供しています。他にも、救急告示病院、臨床研修指定病院、エイズ治療拠点病院、広域医療搬送拠点(SCU)管理協力病院（SCUは宿毛市総合運動公園に設置）、第二種感染症指定医療機関など、多岐にわたる指定を受け、幅広い医療ニーズに対応しています。

医療提供の状況として、2013年度のデータでは、一日平均の入院患者は約240.6人、外来患者は約543.3人となっており、地域内外から多くの患者が利用しています。また、救急医療についても年間13,903件の救急患者を受け入れ、2,589件の救急車搬入に対応するなど、地域における緊急医療体制を支えています。

提供される診療科は多岐にわたり、内科、外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、麻酔科、放射線科、小児科、精神科など、幅広い専門分野をカバーしています。これにより、多様な疾患や状態に対応できる総合的な医療を提供しています。

当院は、保険医療機関、指定自立支援医療機関（更生医療、育成医療、精神通院医療）、身体障害者福祉法指定医の配置されている医療機関、生活保護法指定医療機関、医療保護施設、結核指定医療機関、指定養育医療機関、戦傷病者特別援護法指定医療機関、原子爆弾被害者医療指定医療機関、原子爆弾被害者一般疾病医療取扱医療機関、公害医療機関、母体保護法指定医の配置されている医療機関、特定疾患治療研究事業委託医療機関、指定療育機関、小児慢性特定疾患治療研究事業委託医療機関といった、多くの公費負担医療や専門的な医療に対応する指定を受けています。また、DPC対象病院でもあります。

病院の隣接地には高知県立幡多看護専門学校があり、将来を担う医療従事者の育成においても連携しています。

交通アクセスとしては、土佐くろしお鉄道宿毛線の平田駅から高知西南交通の「中村駅」行きのバスに乗車し、約5分で「けんみん病院」バス停にて下車することができます。

高知県立幡多けんみん病院は、地域の中核医療機関として、高度急性期医療から専門医療、救急医療、災害医療に至るまで、多様な医療機能を提供し、幡多地域の健康増進と医療体制の維持に不可欠な存在となっています。

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