平井参次

平井 参次

平井 参次（ひらい さんじ、1901年〈明治34年〉3月1日 - 没年不明）は、日本の実業家。特に食肉業界における重鎮として知られ、多岐にわたる業界団体の設立や運営に深く関与し、その発展に尽力した人物です。

生涯と経歴

平井は1901年（明治34年）3月1日、兵庫県印南郡志方町（現在の加古川市志方町）に生まれました。地元で高等小学校を卒業後、1924年（大正13年）に食肉卸業を自ら開業し、実業家としての道を歩み始めます。その事業の傍ら、地域における業界の組織化と地位向上に強い関心を持ち、様々な団体の運営に参画しました。

活動は地元である印南郡に始まり、次第に兵庫県全域、さらには日本全体の畜産・食肉業界へと広がっていきました。彼のリーダーシップと貢献は、以下のような多岐にわたる役職に示されています。

印南郡食肉卸組合長
印南郡家畜商組合長
日本食肉協会理事
兵庫県食肉衛生組合副理事長
兵庫県家畜商業協組理事
兵庫県食肉輸入共同組合副理事長
志方食肉卸小売組合名誉会長
兵庫県食肉卸組合連合会会長
兵庫県食肉環境衛生同業組合・同食肉協同組合相談役

これらの役職を通じて、彼は食肉の流通、衛生管理、商業取引の適正化、輸入問題など、業界が直面する様々な課題解決に貢献しました。また、実業界での活動に加え、地元である志方町の教育委員も務めるなど、地域の公共分野への貢献も見られます。

人物

個人的な側面では、趣味として囲碁と乗馬を嗜んでいました。宗教は浄土真宗を信仰していました。住所は兵庫県印南郡志方町志方に構えていました。家族としては、妻、次男、次女がおり、さらに孫にも恵まれていました。

栄典

長年にわたる畜産業界、特に食肉関連分野における多大な貢献が認められ、1971年（昭和46年）には国より勲五等瑞宝章（畜産功労）を受章しました。これは、彼の業界に対する献身と功績が公的に高く評価された証と言えます。

平井参次は、一事業家としてのみならず、地域から全国にわたる食肉・畜産業界の発展のために尽力した功労者として、その名を残しています。

参考文献

『日本叙勲者名鑑 昭和39年4月〜昭和53年4月 下』（日本叙勲者協会、1978年）
* 『食肉業界紳士録』（食肉通信社、1975年）

もう一度検索