平井喜久松

平井喜久松

平井喜久松（ひらい きくまつ）は、1885年（明治18年）11月22日に北海道で生まれ、1971年（昭和46年）1月27日に没した、大正から昭和にかけての土木工学者、鉄道官僚です。

生涯

平井喜久松は、鉄道技術者であり貴族院勅選議員でもあった平井晴二郎の三男として北海道で誕生しました。1910年（明治43年）に東京帝国大学工科大学土木工学科を卒業後、鉄道院に入り、北海道建設事務所に勤務しました。その後、1915年（大正4年）から2年間アメリカへ留学し、土木工学に関する知識と技術を深めました。

帰国後の1927年（昭和2年）には鉄道省工務局改良課長に就任し、1932年（昭和7年）には東京改良事務所長、1934年（昭和9年）には工務局長へと昇進しました。この間、東海道線の線増工事、新鶴見や吹田といった操車場の建設、小樽における石炭船積設備の考案など、鉄道インフラの整備・改良に尽力しました。

1939年（昭和14年）に鉄道省を退官した後は、華北交通建設局長、1944年（昭和19年）には南満州鉄道副総裁を歴任しました。戦後、1953年（昭和28年）には土木学会第41代会長を務め、土木工学の発展にも貢献しました。

また、鉄道建設興業（現鉄建建設）、興和コンクリート、日本構造橋梁研究所の各社長、鉄道施設協会会長、日本交通協会副会長など、数多くの要職を歴任し、日本の交通インフラの発展に大きく貢献しました。

主な業績

東海道線の線増工事
新鶴見、吹田操車場の建設
小樽の石炭船積設備の考案

親族

父：平井晴二郎（鉄道技術者、貴族院勅選議員）

参考文献

* 高橋裕、藤井肇男 共著『近代日本土木人物事典: 国土を築いた人々』鹿島出版会、2013年。ISBN 4306094294。

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