平井照敏

平井照敏について

平井照敏（ひらい しょうびん、1931年3月31日 - 2003年9月13日）は、日本の著名な俳人であり、フランス文学者としての業績も有名です。彼は本名をてるとしとし、東京都に生まれました。

学歴と初期の活動

彼は1954年に東京大学文学部の仏文科を卒業し、その後は同大学院で比較文学と比較文化の修士課程に進みました。1959年には詩集『エヴァの家族』を発表し、これを契機に詩人としての活動を本格化させ、フランス詩に関する研究も行いました。その後、青山学院短期大学での教育活動を通じて、多くの学生に影響を与えました。2001年には青山学院女子短期大学の名誉教授に就任しました。

俳句の活動と受賞歴

1965年頃から彼は俳句を作り始め、加藤楸邨に師事しました。彼は俳句雑誌「寒雷」に参加し、そこでの活動が評価され寒雷賞を受賞しました。その後、編集長としても活動し、さらなる俳句界への貢献を果たしました。1974年には自身の句集『猫町』を刊行し、主宰する俳句誌「槇」を創刊しました。俳句に関する評論でも知られ、1989年には『かな書きの詩』で俳人協会評論賞を受賞しました。さらに、2002年に『蛇笏と楸邨』で山本健吉文学賞の評論部門を受賞しました。

最晩年と逝去

平井照敏は、2003年9月13日に心不全で亡くなりました。享年72歳という短い生涯でしたが、その間に残した業績は多岐にわたります。

著書と翻訳

彼の著作は豊富で、詩集や俳句集、評論が数多くあります。『エヴァの家族』や『猫町』などの句集をはじめ、『現代俳句入門』、『枯野』、『平井照敏集』などがあり、いずれも彼の文学的な努力と情熱を感じさせる作品です。翻訳者としても、ロートレアモンやボードレールに関する著作を翻訳し、日本にフランス文学を広める役割を果たしました。

平井照敏は、フランス文学と日本の伝統的な俳句の交差点に立った文学者であり、彼の作品は今なお多くの読者に愛されています。

もう一度検索