平和首長会議

平和首長会議について

平和首長会議（Mayors for Peace）は、核兵器廃絶を目的とした国際的な地方自治体のネットワークです。この会議は、1982年に広島市長だった荒木武の提唱により設立され、核兵器の危険性を認識し、その廃止を目指す地方自治体が集まる組織として、世界中に広がっています。

設立の背景

平和首長会議の設立のきっかけは、広島と長崎での原子爆弾の投下による深刻な影響が忘れ去られないように、また核兵器に対する意識を高めるためでした。これにより、1985年に行われた第1回世界平和連帯都市市長会議には、23か国から100の都市が参加し、国際的な連帯を強化しました。

会議の沿革

平和首長会議は、設立からさまざまな国際会議を通じて成長を続けています。1990年には国際連合広報局の非政府組織（NGO）として登録され、1991年には国際連合経済社会理事会NGO委員会のカテゴリーⅡに認定されました。これにより、国際的な活動を展開する基盤が整いました。2001年には改名し、平和市長会議として再スタート。さらに、2013年には現在の名称である「平和首長会議」に改称されました。

総会の開催

この会議では4年に1度総会が開かれ、世界中の加盟都市から市長や議会議長が集まります。総会では核兵器廃絶を目指す新たな施策や戦略が議論され、連帯を深化させる機会となります。

加盟都市の現状

2020年3月1日現在、平和首長会議には世界163の国と地域から7,869の自治体が参加しています。特に日本からは、被爆都市である広島市と長崎市を中心に1733の都市が加盟しており、これは他国に比べて多い数です。また、ヨーロッパ諸国でも多くの都市が参加しており、ドイツが最も多く679都市が加盟しています。さらに、核保有国においてもアメリカが218都市、イギリスが81都市、フランス158都市、ロシア67都市、中国では7都市が平和首長会議に参加しています。

核兵器廃絶国際キャンペーンへの関与

平和首長会議は、核兵器廃絶国際キャンペーン（ICAN）の国際的な提携組織の一つとしても知られています。これにより、国際的な平和活動に積極的に関与し、核兵器のない世界を実現するための具体的な取り組みを推進しています。

平和首長会議は、核兵器に対する意識の醸成や、その廃絶を目指したグローバルな協力の象徴として、今後も重要な役割を果たしていくことが期待されています。

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