荒木武

荒木武（あらき たけし）は、1916年3月4日に広島県安佐郡三篠町（現在の広島市西区）で生まれ、1994年6月15日に生涯を閉じた日本の政治家です。彼は、第27代から第30代にかけて広島市長を務め、広島の復興と発展に大きく貢献しました。

荒木は、旧制修道中学校、旧制広島高校を経て、1940年3月に東京帝国大学法学部を卒業しました。同年4月には三菱重工業株式会社に入社し、社会人としての第一歩を踏み出します。しかし、1945年8月6日、広島市への原子爆弾投下により被爆するという、想像を絶する経験をしました。

戦後、荒木は政治家としての道を歩み始めます。1947年4月に広島市議会議員に初当選し、1951年4月には広島県議会議員となります。県議として3期を務めた後、1960年の第29回衆議院議員総選挙に民主社会党（のち民社党）公認で立候補しますが、落選しました。しかし、彼は諦めませんでした。

1975年2月、3度目の挑戦で広島市長に初当選を果たし、1991年まで4期16年にわたり市長を務めました。在任中には、1980年4月に広島市が政令指定都市となるという大きな出来事がありました。これは、荒木市長のリーダーシップと市政運営の成果と言えるでしょう。

荒木武は、広島市長として、平和都市としての広島の発展に尽力しました。彼は、被爆からの復興、市民生活の向上、都市基盤の整備など、多岐にわたる分野でその手腕を発揮しました。

1994年4月には、その功績が認められ、勲二等瑞宝章を受章しました。しかし、同年6月15日、肺炎のため死去。1995年7月8日には市民葬が執り行われ、多くの市民が彼の死を悼みました。

著書として、『ヒロシマを世界へ』（ぎょうせい、1986年）があります。この本には、荒木が広島市長として経験したこと、平和への思いなどが綴られています。

荒木武は、広島の復興と平和を願った政治家として、その名は永く記憶されることでしょう。

関連事項
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