平均故障間隔

平均故障間隔（MTBF）について

平均故障間隔（Mean Time Between Failure、略称MTBF）は、機械や情報システムの信頼性を評価するための指標です。この指標は、故障から次の故障までの平均的な時間のことを指し、システムが連続して稼働できる時間の平均値を表しています。MTBFが大きいほど、システムや部品の信頼性が高いとされます。故障率はこれに基づき、MTBFの逆数として計算されます。

MTBFの用途と制限

MTBFは、修理が可能なシステム、すなわち修理系システムに用いられる用語であり、修理が不可能な非修理系では「平均故障時間（MTTF）」という別の指標が使用されます。重要なのは、MTBFは耐用年数を示す指標としては限界があり、磨耗や経年劣化を考慮する必要があります。例えば、MTBFの算出方法では、故障率が時間に対して一定となる前提で計算されていますが、実際には摩耗型の故障は、この計算において考慮されないのです。

ただし、MTBFはシステムや部品の信頼性を容易に示す手段として役立ちます。カタログなどでひとつの数値として示すことで、ユーザーは理解しやすくなります。

MTBFの種類

MTBFには主に「連続動作時（CCS）」と「間欠動作時（ICAS）」の二種類があります。一般には、CCSの方が条件が厳しくなるため、MTBFが短くなる傾向がありますが、特定の機器、例えば蛍光灯やHDDなどでは、起動時に重大な負荷がかかるため、ICASの方が短くなることもあります。また、原子炉やコンピュータのシャットダウン時など、停止時にも負荷がかかる場合にはICASでのMTBFが短くなることが多いです。

MTBFの算出方法

MTBFは「システムの稼働時間を故障回数で割る」ことによって求めることができます。例として、1個のシステムが100万時間稼働し、10回故障した場合、MTBFは10万時間となります。ところが、実際に100万時間を監視することは困難なため、同じシステムを多く用意し、合計した稼働時間を基にMTBFを算出します。

例えば10万個のシステムを用意して、100時間監視し、その間に100個が故障した場合も、MTBFは10万時間ということになります。しかし、この方法では磨耗や経年の劣化を加味できません。この点がMTBFの理解には注意が必要です。

信頼性に関する指標

コンピュータシステムの評価には、RAS（信頼性、可用性、保守性）やRASIS（信頼性、可用性、保守性、保全性、セキュリティ）という指標が用いられます。信頼性はMTBFによって測定され、可用性や保守性はそれぞれMTTR（平均修復時間）として評価されます。MTBFが高く、MTTRが低ければ、そのシステムは高い可用性を持ち、総合的に信頼性が高いとみなされます。

関連項目

• - 平均修復時間（MTTR）
• - AQL（受入品質レベル）
• - 可用性
• - フォールトトレラントシステム
• - 故障率曲線

MTBFは、システムの寿命や維持費用を計画する上でも重要な値となるため、製品の選択や評価において非常に便利な指標となります。

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