平壌師範学校

平壌師範学校の概要

平壌師範学校（へいじょうしはんがっこう）は、1929年に日本が統治していた朝鮮半島に設立された官立学校で、主に教師の養成を目的としていました。その設立の背景には、日本の教育政策がありました。1910年の韓国併合以降、日本は朝鮮に対して日本語教育を強化し、そのための教員が必要とされていました。

歴史的背景

韓国併合に続く1911年、日本の朝鮮教育令が公布され、朝鮮人に対する日本語の教育が本格的に始まりました。この教育令によって、内地人（現在の日本人）と朝鮮人が通う学校は別々に管理され、朝鮮人向けの普通学校や高等普通学校が設立されます。平壌の高等普通学校では、教員を育成するための速成科が設置され、これが後の師範科に発展します。

1923年に「平安南道公立師範学校」が開校した後、1929年には新たに官立の「平壌師範学校」と改称され、正式に日帝のもとで運営されることとなりました。朝鮮における師範教育は、朝鮮総督府のもとで実施されていたため、内地の学校とは異なる仕組みで運営されていました。

学校の概要

平壌師範学校は、設立当初から様々な学科を設置し、教員の養成を行っていました。学校の校訓としては、「五大綱領」と呼ばれる「至誠」「勤労」「敬愛」「自律」「奉公」が掲げられ、学生にはこの精神が求められました。また、校歌は葛原しげるの作詞によるもので、文化的な側面も重視されていました。

沿革

学校の沿革には、多くの重要な出来事がありました。1911年に教員速成科が設置された後、1914年には新たに師範科が設立されます。1929年には官立学校として本格的に開校し、初年度には95名の新入生が入学しました。特科の卒業生や別の学校からの転入生も受け入れられました。

1930年代には、尋常科の卒業式が行われる等、学校としての機能が徐々に強化されていきました。また、学校は1943年に専門学校へと昇格し、さらなる教育の充実を図ります。

終焉と影響

しかし、1945年に日本が敗戦し、戦後の混乱の中で、この学校は実質的に閉校となりました。学校の存在は日本の朝鮮統治を象徴するものであり、教育界において大きな影響を与えました。平壌師範学校の歴史を通じて、当時の教育制度や文化的背景を理解することができます。

この学校の設立から廃校までの過程は、当時の朝鮮における教育の変革と共に、日本の植民地政策の一環として位置付けられるものでした。

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