平尾邦雄

平尾 邦雄: 日本の物理学者

平尾邦雄（ひらお くにお）は、1922年1月21日に生まれ、2009年2月13日に逝去した日本の物理学者である。東京大学名誉教授として、彼は太陽系プラズマ物理学の分野で顕著な業績を残した。

経歴

平尾は1944年に東京帝国大学の理学部地球物理学科を卒業した。その後、大日本帝国海軍に入隊し、約1年間の技術将校の職務を務めた。戦後、彼は東京大学に助手として在籍し、1950年2月には郵政省の電波研究所に転任。そこで電離気体研究室の長を務め、1965年には再び東京大学に戻る。

宇宙航空研究所の教授に就任した平尾は、その後の1981年には研究所が宇宙科学研究所に改編された際、同所の教授となった。また、惑星研究系研究主幹を併任し、宇宙関連の研究をリードした。1985年の停年退官まで、平尾は数多くの研究プロジェクトに関与し、その成果を発表してきた。

研究業績

平尾は最初、電波気象学を専門としていたが、1957年から1958年に行われた国際地球観測年（IGY）の際に、日本のロケット実験を活用して電離圏プラズマの研究を始めた。この研究分野は、彼のキャリアにおいて極めて重要な位置を占めている。さらに、1985年から1986年にかけてハレー彗星の探査計画『さきがけ、すいせい』のリーダーとして、多くの成果を挙げた。

日本地球電気磁気学会の会長や評議員を歴任し、国際宇宙空間研究委員会の理事としてもその影響力を発揮した。彼の研究は、地球外のプラズマ環境の理解を深める上で非常に寄与しており、次世代の科学者にも大きなインスピレーションを与えた。

受章

平尾はその業績に対して、多くの賞を受賞している。1990年には紫綬褒章、1995年には勲三等旭日中綬章を授与され、その功績が認められた。

最期

平尾邦雄は2009年2月13日、埼玉県上尾市の病院で肺炎のために逝去した。享年は87歳であった。彼の死は日本の科学界にとって大きな損失であり、多くの人々が平尾の貢献を記憶し続けている。

彼の業績や思想は、今後も次世代の物理学者たちに影響を与え続けるであろう。その業績は、太陽系に関する研究や宇宙科学における新たなチャレンジの基盤となっており、彼の名は永遠に残ることだろう。

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