平山太郎

平山 太郎（ひらやま たろう）

平山太郎は、1849年7月24日に日向国佐土原で生まれた明治時代前半の日本の文部官僚です。本名は徳太郎で、後に武卓という名も持ち、号として靖斎や蕉陰と称されました。彼は佐土原藩士の家庭に生まれ、教育に対する強い情熱を抱いて成長しました。

学生時代と留学

藩儒の児玉平格から学んだ平山は、その後鹿児島へ遊学し、造士館で射術を修練しました。さらに、重野安繹に師事し、慶応3年には江戸に上京して水本樹堂に学びます。この時期、昌平学校にも通い、確かな教育を受けました。

明治2年には藩の命令で海軍学を学ぶためにアメリカへ渡航しました。彼は、藩主の息子や同僚と共に横浜から出発し、まずニュージャージー州のラトガース・カレッジに滞在し、その後ボストンへ移ります。その後、藩が廃藩となった後も留学し続けましたが、明治6年に突然の帰国命令が出されたため、日本への帰還を余儀なくされました。

官僚としてのキャリア

帰国後、海軍省に就職し、次第に昇進していきます。しかし、明治8年10月に免官となった後、内務省の勧農局に移り、その後、文部省に転職しました。彼はニューブランズウィックでの留学経験を生かし、文部省での仕事に取り組みました。

特に、体操伝習所の主幹や東京図書館の館長を歴任し、教育の発展に力を尽くしました。また、第五高等中学校の校長としても重要な役割を果たし、校舎の開校式を挙行するなど、さまざまな施策を推進しました。

後半生と死

平山はその後も文部省で様々な役職を歴任し続けましたが、明治23年に第五高等中学校長に就任した際、わずか1年後に熊本で病により亡くなりました。享年43歳でした。彼の死は教育界にとって大きな損失となりました。

栄典と著作

彼は1884年に正七位を授与されるなど、功績が認められています。また、いくつかの著作を残しており、特に「東京図書館年報」では文部省の発展に寄与したことが記されています。平山太郎の日記も保存されており、彼の人生と思想を知る貴重な資料とされています。

彼の墓所は宮崎市佐土原町の明神山に位置しており、今も彼の業績を偲ぶ人々に訪れられています。平山太郎の生涯は、明治時代の教育改革の重要な一部を形成しており、彼が成し遂げたことは今に続く日本の教育制度の礎となっています。

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