平川彰

平川 彰（ひらかわ あきら）について

平川彰は、1915年1月21日に愛知県で生まれ、2002年3月31日に千葉で亡くなった日本の著名な仏教学者です。彼は東京大学の名誉教授であり、日本学士院の会員としても知られています。平川は仏教研究において幅広い業績を残し、特に大乗仏教の起源に関する研究が高く評価されています。

経歴

平川は渥美郡老津村（現在の豊橋市）に生まれ、1936年に第八高等学校に入学、さらに1939年には東京帝国大学に進学しました。1941年に同大学を卒業した後、彼は大学院に進み、1946年には東京帝国大学の副手に任命されました。その後、北海道大学助教授を経て、1954年に東京大学文学部印度哲学科の助教授に就任しました。1959年には学位論文『律蔵の研究』を提出し、文学博士号を取得しました。

1962年に教授に昇格し、1975年に東京大学を定年退官し、名誉教授の称号を得ました。その後、早稲田大学及び国際仏教学院でも教鞭を執り、特に1996年から1998年まで国際仏教学大学院大学の教授及び初代理事長を務めました。彼は1983年から1991年まで日本印度学仏教学会の理事長を務め、1993年には学士院会員に選出されました。2002年に老衰のため亡くなり、駒込の真浄寺にて葬儀が行われました。

研究内容・業績

平川の研究は、仏教の多様な側面を包括的に考察するものでした。特に、著書『初期大乗仏教の研究』は1968年に発表され、その斬新な方法論と広範囲の資料の集積により、仏教研究における大きな影響を与えました。彼の主張はその後の研究者たちによって批判されることもありましたが、それが逆に研究を深化させるきっかけともなりました。

平川は全体として仏教思想の発展に大きく寄与し、彼の著作は今でも多くの人々に読まれ、研究されています。特に彼が残した著作『平川彰著作集 全17巻』には、彼の思想や研究成果が凝縮されています。

受賞・栄典

平川の業績は、多くの賞によっても認められています。1975年には紫綬褒章を受章し、1980年には共同研究によって日本学士院賞を受賞しました。

家族・親族

平川の娘婿は、インド文学研究者の土田龍太郎です。彼の家族は、学問の道を受け継いでいる一族でもあります。

代表的な著作

• - 『律蔵の研究』（1960年、後に著作集に収録）
• - 『原始仏教の研究』（1964年）
• - 『初期大乗仏教の研究』（1968年）
• - 『現代人のための仏教』（1970年）
• - 『仏教入門』（1992年、新装版2003年）

平川彰の研究と著作は、仏教理解の深化に貢献し、今後も多くの研究者や一般読者に影響を与えることでしょう。

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