平成13年台風第16号

平成13年台風第16号（ナーリー）について

2001年9月に発生した台風16号、アジア名ナーリー（Nari）は、韓国で「百合」を意味します。この台風は、発生当初から特異な進路をたどり、南西諸島に大きな被害をもたらしました。

台風の進路と特徴

9月6日に石垣島近海で発生した台風16号は、当初東に進んでいましたが、太平洋高気圧の影響で進路が定まらず、複雑な動きを見せました。7日には沖縄本島南部を通過、その後、沖縄本島中部を通過し、一時的に西へ遠ざかりました。しかし、東シナ海で再び進路を沖縄本島方面に変え、11日に強い勢力で再接近しました。

9月11日から13日にかけて、台風は沖縄近海でほぼ停滞し、沖縄本島や久米島、慶良間諸島では、長時間の暴風にさらされました。13日には久米島付近を通過し、その後南西諸島から遠ざかりましたが、東シナ海でゆっくりと南西に進むなど、依然として複雑な動きを続けました。16日に台湾に上陸し熱帯低気圧に変わりましたが、20日には再発達し、再び台風の勢力となり、中国華南に上陸して消滅しました。

記録的な降雨と暴風

台風通過中の7日から8日にかけて、沖縄本島中南部では300～400mmの大雨となり、那覇市では期間降水量が551.5mmに達しました。特に、台風が長時間停滞した久米島では、期間降水量が967.5mmと、平年の年間降水量の45％に相当する記録的な大雨となりました。

また、沖縄本島では7日から8日にかけて暴風が吹き荒れ、那覇市では最大風速25.4m/s（最大瞬間風速41.7m/s）を観測しました。久米島では12日に最大瞬間風速50.8m/sという猛烈な風が観測されました。

被害状況

この台風による被害は甚大で、死者・行方不明者は99人に上りました。長時間の暴風により、家屋の損壊や浸水が多数発生したほか、離島を結ぶ交通機関が麻痺し、孤立する地域も発生しました。

また、長期間にわたる停電や断水により、ライフラインにも大きな影響が出ました。沖縄市では9月8日に、島尻郡渡名喜村では9月11日に災害救助法が適用されました。

さらに、高知県では、この台風から流れ込んだ湿った空気の影響で低気圧と前線が活発化し、南西部を中心に激しい雨が降りました。

まとめ

平成13年台風第16号（ナーリー）は、その複雑な進路と長時間の停滞により、沖縄県を中心に甚大な被害をもたらした台風でした。記録的な降雨と暴風は、人々の生活に大きな影響を与え、災害対策の重要性を改めて認識させる出来事となりました。

関連情報

複雑な動きをする台風
[気象庁]]: [災害をもたらした気象事例（台風第16号）
[国立情報学研究所]]: [デジタル台風：台風200116号（NARI）- 総合情報（気圧・経路図）
琉球新報: 記事一覧(200109)

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