平成18年台風第1号

台風第1号（平成18年）概要

平成18年、台風第1号（アジア名：チャンチー）は、2006年5月に発生しました。台風は5月9日にミンダナオ島の東方にて形成され、マカオが命名したこの名前の意味は「真珠」です。フィリピンでは、PAGASAにより「カロイ」と名付けられました。

この台風は、統計上、台風1号としては発生が10番目に遅い日であり、またその発生までの空白期間も約170.5日で、こちらも統計的には10番目の長さでした。台風はゆっくりと成長しながら西へ移動し、フィリピンの中央部を縦断後、南シナ海へと進みました。その後、進路を北に変更して中国大陸に再上陸しました。

被害の状況

フィリピンでの影響

台風によりフィリピンでは41名の命が奪われ、約1900万ドルの経済的損失が発生しました。中でもマスバテ島での小型フェリーの転覆事故が大きな悲劇となり、39人中21人が犠牲となりました。また、ビコル地方では強風や浸水の影響で、約300人の家族が避難を余儀なくされました。特にレイテ島ソゴドでは、過去の地滑りの影響が残る中、小規模な地滑りが発生し、周辺の村から1000人以上が避難しましたが、死傷者の報告はありませんでした。ミンドロ島では、5月13日の早朝に堤防が決壊し、4つの村が浸水の被害を受けました。

また、タブラス島では713人の乗客を乗せたフェリーが高波のため座礁するなど、フィリピン全域で600棟を超える住宅が全壊し、3500棟以上が部分的に損壊しました。

ベトナムでの影響

ベトナムでは、台風による直接の建物被害は少なかったものの、退避していた漁船11隻が沈没しました。これは、台風が進む方向についての予想が異なり、急転直下で進路を変えたためです。この事故によって、27名が死亡し、170名が行方不明となりました。海南島近海で操業していた7隻の漁船も損傷を受け、その結果、60名が救助されましたが、143名は未だ行方不明のままとなっています。また、フーイェン県では海での遊泳中に高波にさらわれた3人の学生が行方不明になりました。

台風名の変更

台風のアジア名である「チャンチー」は、この台風の後に使用が中止されることとなり、次からの台風には「サンバ」という新たな名が付けられることが決定しました。

結論

この位台風第1号は、フィリピンおよびベトナムにおいて多くの人命と財産に影響を及ぼし、その後の台風名のシステムにも変化をもたらしました。非常に記憶に残る自然災害となりました。

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