平成22年台風第13号

平成22年台風第13号（メーギー）

2010年10月に発生した台風13号は、国際名「メーギー(Megi)」として知られ、フィリピンや中国南部などに甚大な被害をもたらした非常に強力な台風でした。この台風は、2010年に発生した台風の中で最も勢力が強く、19年ぶりに中心気圧が900hPaを下回る記録的な勢力に発達しました。

概要

10月10日にグアムの東南東で発生した熱帯低気圧が発達し、13日に台風13号「メーギー」となりました。「メーギー」という名前は韓国語で「ナマズ」を意味します。また、フィリピン領域に入った際には、フィリピン名「フアン(Juan)」とも呼ばれました。

台風は発達を続け、10月18日には中心気圧885hPa、最大風速65m/s、最大瞬間風速72m/sという猛烈な勢力に達し、スーパー台風に分類されました。中心気圧が900hPaを下回ったのは、21世紀に入って初めて、そして1991年以来19年ぶりのことでした。その後、台風は勢力を維持したままフィリピンのルソン島北東部に上陸し、各地に大きな被害をもたらしました。その後、南シナ海を北上し、中国福建省に再上陸した後、華南で熱帯低気圧に変わりました。

気象庁太平洋台風センターによると、この台風の中心気圧885hPaという非常に低い値は、米軍の航空機観測によって実際に観測された信頼できる値であり、ドボラック法による解析では900hPa未満の気圧が推定されることは稀です。

特に、ルソン島上陸時には最盛期に近い勢力を保ったまま上陸したとされ、過去10年間にフィリピンに上陸した台風の中で最も低い中心気圧を記録しました。

被害・影響

台風の接近に伴い、台湾では記録的な大雨となり、12人の犠牲者が出ました。また、中国福建省では60万人以上が被災し、約450戸の家屋が倒壊、2000隻以上の漁船が被害を受けるなど、甚大な被害が発生しました。フィリピンでは、少なくとも26人が死亡し、20万棟以上の家屋が被害を受けました。

日本でも、奄美地方では、前線の停滞と台風の影響で大気の状態が不安定になり、豪雨による被害が発生しました。

この台風による合計死者数は69人、行方不明者は4人に上り、被害総額は約8億ドルに達しました。

関連事項

平成22年10月18日から21日にかけての奄美地方の大雨

外部リンク

デジタル台風：台風201013号（MEGI）- 総合情報（気圧・経路図） - 国立情報学研究所（北本朝展）

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