平成28年台風第1号

平成28年台風第1号（Nepartak）の詳細

平成28年台風第1号、通称「ニパルタック」は、2016年7月に発生した台風で、特筆すべき点はその発生の遅さと猛烈な勢力の状態です。この台風は、日本における初の「猛烈な台風1号」として、また、統計的にみても非常に遅い日時に発生したため、多くの記録を樹立しました。

発生の経緯

この台風は、6月末にカロリン諸島近海において低圧部、名付けて99Wとして形成が始まりました。7月2日の午前9時（協定世界時では同日午前0時）に熱帯低気圧へと成長し、合同台風警報センター（JTWC）から熱帯低気圧番号02Wが割り当てられました。その後、7月3日には北緯8.9度、東経144.9度で台風としての名前「ニパルタック」が与えられました。これは、ミクロネシアの有名な戦士にちなんでいます。

台風は当初はゆっくりとした動きでしたが、次第に加速して北西へ進み始めました。そして、7月5日と6日には中心気圧が劇的に下がり、6日には900ヘクトパスカル、最大風速55メートルの猛烈な台風となりました。台風5日にはフィリピンの監視領域に入ったため、フィリピン大気地球物理天文局（PAGASA）によって「ブッチョイ」という名前が与えられました。

上陸と被害

ニパルタックは、7月8日午前6時50分頃、台湾の台東県に上陸し、猛烈な豪雨と強風をもたらしました。その後、台風は台湾海峡を越え、7月9日午後12時頃には華南に上陸しましたが、勢力は急速に衰え、同日午後3時には熱帯低気圧に変わりました。このように発生から上陸までの動きは非常に早く、多くの地域に影響を及ぼしました。

台風の記録

この台風が発生するまでの期間、2015年12月に発生した台風27号が消滅してから199日間、北西太平洋には台風が現れず、これは史上最も長い期間となることが確定していました。このため、ニパルタックの出現は、さまざまな気象的影響の変化を示すものとして注目されました。発生日時については、1998年に次いで統計上2番目に遅い台風1号として記録されています。

さらに、この台風は発生時点での勢力として初めて「猛烈」な状態に達した台風1号であり、最強の勢力としても記録されています。

総括

平成28年台風第1号「ニパルタック」は、その発生の遅さ、急速な勢力強化、及び上陸による広範な影響という点で特異な事例となりました。気象データや記録を通じて、この台風は未だに多くの研究者や気象学者の注目を集めています。今後もこのような台風の動向がどのように変わっていくのか、その影響を受ける地域の準備はどう進むのかが重要な課題となるでしょう。

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