平木橋 (兵庫県)

平木橋について

平木橋（ひらきばし）は、兵庫県加古川市に位置する水路橋で、時に平木水路橋とも呼ばれます。この橋は土木学会が選定する「近代土木遺産2800選」に名を連ねるなど、その歴史的価値が評価されています。

橋の概要

平木橋は美しい白と赤のコントラストが特徴的な組積造の1連アーチ橋です。アーチ部には高級な御影石が使用され、残りの部分には赤煉瓦が使われています。これは、山田川疎水事業の一環として農業用水の供給を目的に建設され、1915年（大正4年）に完成しました。残念ながら、付近に位置する貯水池である平木池が機能しなかったため、実際に橋が利用された期間は数年に限られました。

1949年（昭和24年）頃には、橋は放置され、その後、地域住民の記憶の中でも忘れ去られてしまいました。しかし、2000年代に入ると土木学会による調査が行われ、歴史的背景やその美しさ、煉瓦と石を組み合わせたアーチの構造が非常に珍しいものであることから、再び注目を集めることとなりました。結果として、2001年（平成13年）には「Bランク」という重要文化財に匹敵する評価を受けました。

保存と移設

平木橋の保存が求められる理由には、橋が東播磨南北道路の建設予定地内に位置していることが挙げられます。そのため、保存の必要性が高まり、現地での保存が検討されましたが、結局は西へ1kmほどの前の池というため池への移設が決定しました。移設工事は2008年（平成20年）3月27日に開始され、2009年（平成21年）3月25日に無事に完了しました。

移設後の2010年（平成22年）1月29日には、土木学会選奨土木遺産に選ばれ、さらに同年3月5日には加古川市から文化財として指定される栄誉も受けました。これにより、平木橋は地域の歴史や文化を象徴する貴重な存在となりました。

施設の詳細

平木橋は以下のような諸元を持っています：

• - 所在地：兵庫県加古川市野口町水足247
• - 形式：1連レンガ・石造アーチ橋
• - 橋長：27.1メートル
• - 径間（アーチの幅）：16.2メートル
• - 拱矢（アーチの高さ）：3メートル
• - 幅員：1.2メートル
• - 竣工年：1915年（大正4年）

平木橋は、単なる交通手段としての役割を超えて、地域の歴史、文化、そして土木技術の美しさを物語る貴重な遺産です。

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