平正衡

平 正衡（たいら の まさひら）について

平正衡は平安時代中期の武士であり、伊勢平氏の棟梁である平正度の五男です。彼は政府から従四位下の官位を得ており、その他にも検非違使や右衛門尉、出羽守といった重要な役職を歴任しています。このように、正衡は当時の日本において重要な役割を果たしていました。

活動の略歴

正衡は、伊勢国を拠点に活動する一方、承保2年（1075年）には、天台宗の僧侶である良心と連携し、桑名郡にある東寺の末寺である多度神宮寺を天台の別院として称しました。この行為は、所領の荘園などを押妨することで、当時の政権との対立を招く結果に繋がりました。最終的には朝廷によりこの主張は認められませんでしたが、この事件は正衡の軍事的な活躍を示す顕著な例と言えます。

また、彼は都でも活動し、藤原師実に仕えていました。京周辺の警察の任務にも従事していたため、彼の視野は広く、特に治安維持において重要な役割を果たしていました。承暦3年（1079年）に発生した延暦寺の僧兵による強訴事件においては、源頼綱や兄・季衡らと共に出動し、都の防衛に務めていました。

さらに康和元年（1099年）には除目によって出羽守に任命されました。この役職は彼のキャリアの中で重要なものであり、彼が伊勢国において持つ影響力を示すものです。ただし、それ以降の事績については記録が残っていないため、詳細は不明となっています。

家族と系譜

正衡の家族については、父が平正度であることは確認されていますが、母や妻の名前は伝わっていません。一方、彼の嫡男である平正盛は、白河院の庇護のもとで中央政界に進出し、その後の平家の隆盛、特に忠盛と清盛の時代に繋がる基礎を築くことになりました。

正盛の成功は、平家一族の歴史において非常に重要であり、正衡自身の活動が後の家系に与える影響を示しています。平正衡はその生涯を通じ、伊勢平氏の名を高め、今後の平家の栄光へと続く足場を築いていったのです。

参考文献

平正衡に関する詳細な情報は、高橋昌明の著書『清盛以前』に記されています。

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