年下の男の子 (アルバム)

『年下の男の子』は、日本の人気アイドルグループ、キャンディーズが1975年4月21日に発表した、通算4枚目のオリジナル・アルバムです。

このアルバムの最大の特徴は、キャンディーズにとって初めて、収録曲のすべてがオリジナル楽曲で構成された点にあります。それまでのアルバムにはカバー曲や先行シングルの再録などが含まれていましたが、本作ではグループのために書き下ろされた楽曲のみが収録され、キャンディーズ自身の音楽世界をより深く表現した作品と言えます。当時のLP帯には、「『年下の男の子』ほか全12曲、キャンディーズの魅力のすべて!!」というキャッチコピーが掲げられ、その充実した内容がアピールされました。

収録曲には、アルバムタイトルにもなった同名のシングル曲「年下の男の子」が収められています。この楽曲はキャンディーズにとって大きなヒットとなり、彼女たちの代表曲の一つとして現在も親しまれています。

また、このアルバムには、後にセルフカバーシングルとして大ヒットする「春一番」のオリジナルバージョンが収録されています。アルバムに収められているのはシングルバージョンとは異なるミックスで、リズムセクションであるベースやドラムがより強調されたアレンジが特徴です。ブラスやストリングスといった華やかな装飾は含まれていません。

その他にも、コンサートなどで頻繁に歌われ人気を集めた「悲しきためいき」などが収録されています。収録曲の中から、「卒業」と「悲しきためいき」は、当時人気を博したテレビ番組『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』内の青春ドラマのテーマ曲として採用され、多くのリスナーに耳馴染みのある楽曲となりました。

オリジナル盤は合計12曲で構成されています。その曲目は以下の通りです。

春一番（アルバム・ヴァージョン）
作詞・作曲・編曲：穂口雄右
涙色の幸福
作詞：千家和也、作曲：加瀬邦彦、編曲：竜崎孝路
メインヴォーカル：スー
のらいぬ
作詞：千家和也、作曲・編曲：穂口雄右
メインヴォーカル：ミキ
若い日のひととき
作詞：山上路夫、作曲：井上忠夫、編曲：穂口雄右
メインヴォーカル：スー
年下の男の子
作詞：千家和也、作曲・編曲：穂口雄右
メインヴォーカル：ラン
※5thシングル
悲しきためいき
作詞：山上路夫、作曲：宮川泰、編曲：竜崎孝路
メインヴォーカル：ミキ
くちづけのあと
作詞：竜真知子、作曲・編曲：穂口雄介
メインヴォーカル：ラン
優しいだけじゃいや
作詞：竜真知子、作曲：加瀬邦彦、編曲：竜崎孝路
メインヴォーカル：スー
愛の瞬間
作詞：林春生、作曲：宮川泰、編曲：穂口雄右
メインヴォーカル：ミキ
卒業
作詞：ちあき哲也、作曲：井上忠夫、編曲：竜崎孝路
メインヴォーカル：ラン
私だけの悲しみ
作詞：千家和也、作曲・編曲：穂口雄右
メインヴォーカル：ラン
※5thシングル「年下の男の子」のB面曲
愛のとりこ
作詞：林春生、作曲・編曲：穂口雄右
* メインヴォーカル：ミキ

時を経て、2008年9月3日にリリースされたCD-BOX『キャンディーズ・タイムカプセル』に収納された紙ジャケット仕様の復刻盤では、オリジナル収録曲に加え、いくつかのボーナス・トラックが追加されました。具体的には、アルバム発売後にリリースされた6枚目のシングル「内気なあいつ」（1975年6月1日発売）とそのカップリング曲「恋の病気」が未収録シングルとして収録されています。

さらに、ファンには嬉しい「年下の男の子」と「内気なあいつ」のオリジナル・カラオケバージョンもボーナス・トラックとして収められています。「年下の男の子」のメロディー入りオリジナル・カラオケは、このCDで初めて公式にリリースされた音源です。これらのボーナス・トラックにより、当時のキャンディーズの活動をより深く知ることができます。

『年下の男の子』アルバムは、キャンディーズがアーティストとして成長していく過程を示す重要な作品であり、彼女たちの豊かな音楽性と表現力を堪能できる一枚です。

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