幸せであるように

FLYING KIDSのデビューシングル「幸せであるように」

1990年4月4日、ビクター音楽産業からリリースされたFLYING KIDSのメジャーデビューシングル「幸せであるように」。オリジナルデザインのバンダナが封入された初回盤は、当時大きな話題を呼びました。

この曲は、1989年1月6日のバンドリハーサル中に誕生しました。翌日の新宿ライブで初披露する予定でしたが、直前に昭和天皇崩御の報せが入ります。自粛ムードの中、演奏されたこの曲は、FLYING KIDSにとって初めてアンコールを招いた記念碑的な楽曲となりました。その後も、三宅裕司のいかすバンド天国への出演や、「輝く!日本イカ天大賞」でのベスト・ソング賞、審査員特別賞受賞など、数々の輝かしい実績を積み重ねていきます。

さらに、この曲はFLYING KIDSの1stアルバム『続いてゆくのかな』にも収録されています。アルバムバージョンは、シンセサイザーソロによるコーダが追加されたロングバージョンとなっており、シングルとはまた違った魅力を味わうことができます。ミュージックビデオには、女優の鈴木蘭々が主演として出演し、話題となりました。

「幸せであるように」は、FLYING KIDSのベストアルバムにも全て収録されており、彼らの代表曲として長年にわたって愛され続けています。

多彩なカバーと、楽曲の普遍的な魅力

「幸せであるように」は、多くのアーティストにカバーされています。

2002年には、MCUが自身のソロアルバム『A Peacetime MCU』に収録。このバージョンには、FLYING KIDSが解散していた当時、浜崎貴司が参加しています。ミュージックビデオの監督は須永秀明が務めました。MCUのカバーは、オリジナルとは異なるアレンジで、新たな魅力を引き出しています。

他にも、SMOOTH ACE（アルバム『LOVE STORY〜AVEC PIANO〜』）、河口恭吾（アルバム『君を好きだったあの頃』）など、様々なアーティストによってカバーされ、それぞれの個性と「幸せであるように」という楽曲の普遍的な魅力が融合した、多彩なアレンジが生まれています。

MCUのシングルには、FLYING KIDSの楽曲以外にも、THE BOOMのカバー曲「僕はぬけがらだけおいてきたよ」も収録されています。

小説との関わり

「幸せであるように」は、音楽の世界だけにとどまらず、小説の世界にも影響を与えています。脚本家、小説家の一色伸幸氏は、この楽曲をモチーフにした同名小説を執筆しており、音楽と文学が交差する興味深い事例となっています。

楽曲情報

シングル「幸せであるように」

全作詞：浜崎貴司
編曲：FLYING KIDS
作曲：「幸せであるように」：FLYING KIDS、 「国民の皆さん」：加藤英彦

収録時間

幸せであるように：5分31秒
国民の皆さん：4分36秒

収録アルバム（FLYING KIDS）

『続いてゆくのかな』（1990年4月21日）- オリジナルバージョン
『ザ・バイブル』（1993年12月16日）- ライブテイク収録
『BEST OF THE FLYING KIDS これからの君と僕のうた』（1998年2月11日）
『FLYING KIDS NOW! 〜THE NEW BEST OF FLYING KIDS〜』（2004年2月25日）

収録アルバム（MCU）

『A Peacetime MCU』（2005年5月11日）
* 『BEST OF MCU』（2010年2月10日）

「幸せであるように」は、FLYING KIDSの音楽史、そして日本の音楽シーンにおいて、重要な位置を占める楽曲と言えるでしょう。その普遍的な魅力は、時代を超えて人々の心に響き続けています。

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