幸和希

幸 和希（こう かずき）は、1961年2月10日生まれの女優。宝塚歌劇団の元花組男役スターとして知られる。本名は冨吉 和恵（とみよし かずえ）。大阪府茨木市の出身で、茨木市立南中学校を卒業している。宝塚時代の愛称は「かずき」や「かっちゃん」。公称身長は164cm、血液型はB型。旧芸名に柊 和希（ひいらぎ かずき）がある。

1976年に中学校を卒業後、宝塚音楽学校に入学。1978年に同校を卒業し、第64期生として宝塚歌劇団に入団した。初舞台は月組公演『祭りファンタジー／マイ・ラッキー・チャンス』。翌1979年には月組に配属されるが、1982年に花組へと組替えとなった。

花組では、主にトップスター高汐巴が在籍した時代に、若手男役スターとして頭角を現し、組を支える存在となった。舞台で存在感を示す一方、ユニークな筆致でも知られ、歌劇団発行の機関誌である「歌劇」や「宝塚グラフ」に連載コラムを執筆するなど、多才な一面も持っていた。

宝塚歌劇団在団中には、新人公演やバウホール公演で重要な役を多く務めた。月組時代には新人公演で本役・正規煌や大地真央の役を演じた。花組組替え後はさらに活躍の場を広げ、1983年の『メイフラワー』、1984年の『琥珀色の雨にぬれて』で新人公演主演を務めた。また、1983年の『ヴェニス、獅子たちの夢』や1986年の『不思議なカーニバル』ではバウホール公演単独主演を果たしている。

その他の主な舞台出演としては、1984年『名探偵はひとりぼっち』のアール役、1985年『愛あれば命は永遠に』のウージェーヌ役、1985年『テンダー・グリーン』のフェイズ役、1986年『微風のマドリガル』のロドリーゴ役などがある。また、1985年の第5回ハワイ公演にも参加した。退団公演は1988年の『キス・ミー・ケイト』で、ホーテンシオー役を演じ、惜しまれつつ宝塚歌劇団を退団した。

宝塚歌劇団時代の主な舞台

1980年1月：月組『アンジェリク』新人公演 - アルベール役
1981年7月：月組『白鳥の道を越えて』第2回新人公演 - ギスカール役
1982年2月：月組『あしびきの山の雫に』 - 志貴皇子役
1982年9月：花組『夜明けの序曲』新人公演 - 高浪定二郎役
1983年3月：花組『霧深きエルベのほとり』新人公演 - フロリアン役
1983年4月：花組『ヴェニス、獅子たちの夢』（バウホール公演） - エドモン・ガローネ役
1983年10月：花組『メイフラワー』新人公演 - ジャック・エバンス役 主演
1984年3月：花組『琥珀色の雨にぬれて』新人公演 - クロード役 主演
1984年4月：花組『ロジャースビル物語』（バウホール公演） - マイケル役
1984年8月：花組『名探偵はひとりぼっち』 - アール役
1985年3月：花組『愛あれば命は永遠に』 - ウージェーヌ役
1985年6月：花組『ジャパン・ファンタジー』／『ドリームズ・オブ・タカラヅカ』（ハワイ公演）
1985年9月：花組『テンダー・グリーン』 - フェイズ役
1986年1月：花組『微風のマドリガル』 - ロドリーゴ役
1986年3月：花組『不思議なカーニバル』（バウホール公演） - ポール・バナー役 主演
1986年4月：花組『メモアール・ド・パリ』 - オレンジ泥棒役
1986年6月：花組『真紅なる海に祈りを』 - ベンテリアス役
1987年1月：花組『タッチ・ミー』（バウホール公演）
1987年2月：花組『遥かなる旅路の果てに』 - アンドレイ・シャムラーエフ役
1987年3月：花組『第2回バウコンサート-スプリング！スプリング！スプリング！-』（バウホール公演）
1987年8月：花組『あの日薔薇一輪』 - リチャード役
1988年3月：花組『キス・ミー・ケイト』 - ホーテンシオー役 退団公演

1988年の宝塚歌劇団退団後は女優に転身。現在も主に舞台女優として活躍している。また、テレビドラマや単発番組への出演経験もある。1989年5月にはフジテレビの『一枚の写真』に出演、1990年9月にはNHKのドラマ『ごめんねコーちゃん』で越路吹雪役を演じた。

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