幸町 (高松市)
幸町（さいわいちょう）は、香川県高松市の中心部に位置する町です。郵便番号は760-0016。この町は住居表示が実施されている地域であり、その最大の特徴は、町域全体が香川大学幸町キャンパス（本学）の敷地と完全に一致している点にあります。そのため、この町は実質的に香川大学のキャンパスそのものを指すと言えます。
高松市役所から西へ約0.9kmの距離にあり、高松市中心部の西側に位置します。南北に細長い形状をしており、周囲は主要な道路によって区切られています。具体的には、北側は市道五番町西宝線、東側は大学通り、南側は県道33号高松善通寺線、西側は市道西浜宮脇線が境界となっています。これらの東西方向の幹線道路によって、高松市の都心部とも近接しています。
町内には外周を囲む道路を除いて、公道は東西に横切る市道八番町西浜新町線のみが通っています。この道路を境に、町域は北側の「幸町北キャンパス」と南側の「幸町南キャンパス」に分かれています。町内に存在する住所もこれに対応しており、幸町北キャンパスに「幸町1番1号」および「幸町1番2号」、幸町南キャンパスに「幸町2番1号」があるのみです。
2010年の国勢調査によると、幸町の人口は70人で、全てが女性でした（男性0人、女性70人）。世帯数は1世帯です。面積は約12万6540平方メートル（12.65ヘクタール）で、人口密度は約553.2人/km²となります。
公立学校の通学区域については、中学校は町域全域が紫雲中学校の校区です。小学校は、幸町北キャンパスにあたる幸町1番が新番丁小学校、幸町南キャンパスにあたる幸町2番が亀阜小学校の校区にそれぞれ属しています。
都市計画法に基づく用途地域を見ると、県道33号高松善通寺線と市道五番町西宝線に沿った地域は近隣商業地域（容積率300%、建ぺい率80%）に指定されています。それ以外のほとんどの地域は第二種中高層住居専用地域（容積率200%、建ぺん率60%）となっています。
町域が大学キャンパスであるという性質上、夜間の定住人口は極めて少なく、キャンパス内にある女子寮「若草寮」（定員70人）の居住者程度です。しかし、このキャンパスを主に利用する教育学部、法学部、経済学部などの学生数（2013年5月1日現在で3240人）と役職員数（同447人）を合わせると、日中の活動人口は非常に多くなり、昼間人口は夜間人口を大幅に上回る特性を持っています。
幸町の区域は、明治時代には香川郡西浜村や宮脇村（旧）の一部であり、高松城下町に近い農村地帯でした。1890年（明治23年）に西浜村と宮脇村が合併して新たな宮脇村（新）が誕生すると、この地域は大字西浜および大字宮脇の一部となります。1914年（大正3年）5月1日、宮脇村が高松市に編入され、この地域はそれまでの大字を引き継いだ西浜新町および宮脇町となりました。「西浜新町」と名付けられたのは、当時すでに高松市内に「西浜町」が存在していたため、区別するためでした。
大正時代に入ると、この地域は教育機関の集積地へと変貌します。1914年には香川県立工芸学校が移転（現在の幸町北キャンパス北東部）、1923年（大正12年）には高松高等商業学校（現在の幸町南キャンパス）が設立されます。さらに1924年（大正13年）には香川県師範学校も移転（現在の幸町北キャンパス残部）してきました。これらの学校が広大な敷地を造成したことで、それまでの農村景観は大きく変わり、高松市街地の一部として組み込まれていきました。
1930年（昭和5年）、西浜新町から分離し、縁起の良い地名として「幸町」が誕生します。この当時の幸町は現在の区域とは異なり、旧大字西浜の部分（現在の幸町北キャンパスと周辺地域）のみを町域としていました。
太平洋戦争中の1945年（昭和20年）7月4日の高松空襲では、町内も被災しました。校舎を焼失した香川県立師範学校や、校舎の大半を焼失した高松経済専門学校（高松高等商業学校から改称）は一時疎開しましたが、1948年（昭和23年）には両校とも高松の元の場所へ戻りました。そして、翌1949年（昭和24年）にこの地で両校を母体として香川大学が設立されたのです。一方、香川県立工芸学校は1951年（昭和26年）に現在の五番丁へ移転しました。
戦後、幸町の町域にも変化がありました。1958年（昭和33年）には一部が六番町と七番町に、1966年（昭和41年）には扇町二丁目に編入され、幸町の町域は一時、香川大学幸町北キャンパスの部分のみとなりました。しかし、1971年（昭和46年）の住居表示実施の際、宮脇町と昭和町の一部が幸町に編入されたことで、現在の町域が確定し、香川大学幸町キャンパスの全域が幸町に含まれることとなりました。
* 香川大学幸町キャンパス（本学）
この町は、その歴史の中で農村から教育機関の集積地、そして大学キャンパスへと姿を変え、現在に至っています。
地理
高松市役所から西へ約0.9kmの距離にあり、高松市中心部の西側に位置します。南北に細長い形状をしており、周囲は主要な道路によって区切られています。具体的には、北側は市道五番町西宝線、東側は大学通り、南側は県道33号高松善通寺線、西側は市道西浜宮脇線が境界となっています。これらの東西方向の幹線道路によって、高松市の都心部とも近接しています。
町内には外周を囲む道路を除いて、公道は東西に横切る市道八番町西浜新町線のみが通っています。この道路を境に、町域は北側の「幸町北キャンパス」と南側の「幸町南キャンパス」に分かれています。町内に存在する住所もこれに対応しており、幸町北キャンパスに「幸町1番1号」および「幸町1番2号」、幸町南キャンパスに「幸町2番1号」があるのみです。
統計・特性
2010年の国勢調査によると、幸町の人口は70人で、全てが女性でした（男性0人、女性70人）。世帯数は1世帯です。面積は約12万6540平方メートル（12.65ヘクタール）で、人口密度は約553.2人/km²となります。
公立学校の通学区域については、中学校は町域全域が紫雲中学校の校区です。小学校は、幸町北キャンパスにあたる幸町1番が新番丁小学校、幸町南キャンパスにあたる幸町2番が亀阜小学校の校区にそれぞれ属しています。
都市計画法に基づく用途地域を見ると、県道33号高松善通寺線と市道五番町西宝線に沿った地域は近隣商業地域（容積率300%、建ぺい率80%）に指定されています。それ以外のほとんどの地域は第二種中高層住居専用地域（容積率200%、建ぺん率60%）となっています。
町域が大学キャンパスであるという性質上、夜間の定住人口は極めて少なく、キャンパス内にある女子寮「若草寮」（定員70人）の居住者程度です。しかし、このキャンパスを主に利用する教育学部、法学部、経済学部などの学生数（2013年5月1日現在で3240人）と役職員数（同447人）を合わせると、日中の活動人口は非常に多くなり、昼間人口は夜間人口を大幅に上回る特性を持っています。
歴史
幸町の区域は、明治時代には香川郡西浜村や宮脇村（旧）の一部であり、高松城下町に近い農村地帯でした。1890年（明治23年）に西浜村と宮脇村が合併して新たな宮脇村（新）が誕生すると、この地域は大字西浜および大字宮脇の一部となります。1914年（大正3年）5月1日、宮脇村が高松市に編入され、この地域はそれまでの大字を引き継いだ西浜新町および宮脇町となりました。「西浜新町」と名付けられたのは、当時すでに高松市内に「西浜町」が存在していたため、区別するためでした。
大正時代に入ると、この地域は教育機関の集積地へと変貌します。1914年には香川県立工芸学校が移転（現在の幸町北キャンパス北東部）、1923年（大正12年）には高松高等商業学校（現在の幸町南キャンパス）が設立されます。さらに1924年（大正13年）には香川県師範学校も移転（現在の幸町北キャンパス残部）してきました。これらの学校が広大な敷地を造成したことで、それまでの農村景観は大きく変わり、高松市街地の一部として組み込まれていきました。
1930年（昭和5年）、西浜新町から分離し、縁起の良い地名として「幸町」が誕生します。この当時の幸町は現在の区域とは異なり、旧大字西浜の部分（現在の幸町北キャンパスと周辺地域）のみを町域としていました。
太平洋戦争中の1945年（昭和20年）7月4日の高松空襲では、町内も被災しました。校舎を焼失した香川県立師範学校や、校舎の大半を焼失した高松経済専門学校（高松高等商業学校から改称）は一時疎開しましたが、1948年（昭和23年）には両校とも高松の元の場所へ戻りました。そして、翌1949年（昭和24年）にこの地で両校を母体として香川大学が設立されたのです。一方、香川県立工芸学校は1951年（昭和26年）に現在の五番丁へ移転しました。
戦後、幸町の町域にも変化がありました。1958年（昭和33年）には一部が六番町と七番町に、1966年（昭和41年）には扇町二丁目に編入され、幸町の町域は一時、香川大学幸町北キャンパスの部分のみとなりました。しかし、1971年（昭和46年）の住居表示実施の際、宮脇町と昭和町の一部が幸町に編入されたことで、現在の町域が確定し、香川大学幸町キャンパスの全域が幸町に含まれることとなりました。
主要施設
* 香川大学幸町キャンパス（本学）
この町は、その歴史の中で農村から教育機関の集積地、そして大学キャンパスへと姿を変え、現在に至っています。
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