幸福相談

木下恵介アワー『幸福相談』：恋と青春、そして家族の物語

1972年、TBS系列で放送された『幸福相談』は、木下恵介アワー枠で放送されたテレビドラマです。日産自動車の一社提供で、軽快なテンポと心温まるストーリーで多くの視聴者を魅了しました。姉妹と兄弟、そして彼らを取り巻く人々の恋模様を通して、青春の喜びや苦悩、家族の絆といった普遍的なテーマを描き出しています。

物語のあらすじ

昼はOL、夜は占い師として働く夏目（倍賞千恵子）と、妹の南（沢田雅美）はアパートで二人暮らしをしています。南は恋人である道夫（小倉一郎）と結婚を控えていますが、夏目は、幼く頼りない二人の結婚に反対します。そんな中、道夫の兄である一郎（山口崇）は、末弟の結婚を知らされて驚きを隠せません。

この出会いをきっかけに、それぞれの恋や家族、そして人生における様々な出来事が複雑に絡み合い、物語は展開していきます。登場人物たちは、それぞれの想いを胸に、時に笑い、時に涙し、懸命に生きていきます。

魅力的な登場人物たち

本作には、個性豊かな登場人物たちが数多く登場します。

松田夏目（倍賞千恵子）： 昼はOL、夜は占い師として働くしっかり者だが、妹の結婚には反対する複雑な一面も持つ。
新田一郎（山口崇）： 道夫の兄で、落ち着いた雰囲気を持つ人物。弟の結婚に驚きつつも、温かく見守る。
松田南（沢田雅美）： 夏目の妹で、恋人に盲目的な一面も持つ。
新田道夫（小倉一郎）： 南の恋人。やや頼りない面もあるが、誠実な青年。
北見八郎（森次浩司）： 夏目や南の周囲に関わる人物。
新田家の人々（小夜福子、倉石功、鹿野浩四郎、山本コウタロー、木内みどり）： 道夫の家族。それぞれの個性と人間関係が物語に深みを与える。

これら個性的な登場人物たちの織りなす人間模様は、視聴者に深い共感を呼び起こします。

音楽と主題歌

木下忠司による音楽も本作の魅力の一つです。軽快なメロディーと、時に切ない旋律が、物語の雰囲気を効果的に演出しています。倍賞千恵子が歌う主題歌「幸福相談」は、ドラマのテーマを象徴する名曲として知られています。

スタッフ

企画：木下恵介
脚本：成田孝雄
演出：中川晴之助、川頭義郎、中新井和夫
音楽：木下忠司
プロデューサー：小梶正治
制作：松竹株式会社、木下恵介プロダクション、TBS

放送データ

放送期間：1972年6月6日～9月26日
放送日時：毎週火曜日 21:00～21:30
放送回数：全17回
放送形態：カラーフィルム作品

『幸福相談』は、軽快なコメディタッチでありながらも、恋や結婚、家族といった普遍的なテーマを深く掘り下げた、見応えのある作品です。木下恵介作品らしい温かい人間描写と、豪華キャスト陣の演技も見どころの一つと言えるでしょう。

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