幹部特修課程

陸上自衛隊 幹部特修課程（FOC）とは

陸上自衛隊幹部特修課程（Functional Officer's Course ; FOC）は、陸上自衛隊の幹部自衛官を対象とした、各職種における上級指揮官に必要な知識と技能を習得させるための教育課程です。この課程は、選抜試験によって選ばれた幹部自衛官が、連隊や大隊レベルの指揮官、または幕僚として活躍できるようになることを目的としています。

教育の概要

幹部特修課程では、各職種学校において、連隊や大隊規模の部隊を指揮・統率する上で不可欠な知識と技能を学びます。教育期間は約1年間で、履修者数は職種によって異なります。教育を修了すると、原則として2等陸佐への昇任が保証されます。一部の優秀な修了者は、1等陸佐への昇任も可能です。

卒業後は、主に大隊長や連隊・群本部の第3科長（運用訓練幕僚）などの役職に就任します。一部の修了者は、師団司令部の部長や連隊長として勤務することもあります。この課程は、指揮幕僚課程や技術高級課程と比較すると一段低い格付けですが、近年では、人生観の違いなどから、当初よりこの課程を目指す隊員も少なくありません。受験回数は5回までと定められています。

総合情報課程について

かつて陸上自衛隊には、情報科職種の創設以前に「総合情報課程（Global Intelligence Course ; GIC）」という課程が存在しました。この課程は、「情報業務の管理、分析などの職務に従事する上級指揮官や幕僚として必要な知識・資質を習得させる」ことを目的としていました。

総合情報課程は、試験によって選抜された学生が、約42週間にわたり陸上自衛隊小平学校で教育を受けました。修了後は、情報本部をはじめとする情報職域に配属され、指揮幕僚課程や技術高級課程の修了者と同様に、人事の取り扱いが地方から中央（陸上幕僚監部）へと変更されました。

総合情報課程は、情報本部の設立に伴い、その要員を養成するために1996年に創設されました。その後、情報科職種の創設と共に、名称が幹部特修課程へと変更され、現在は陸上自衛隊情報学校が教育を担当しています。

選考要件

幹部特修課程（旧総合情報課程を含む）の選考要件は、幹部上級課程を修了した3佐または1尉（陸上幕僚長が同等の能力を有すると認めた者を含む）で、入校時点で43歳未満であることと定められています。また、選抜試験に合格する必要があります。指揮幕僚課程または技術高級課程の受験資格がある者は、そちらの受験が優先され、併願受験は認められません。

海上・航空自衛隊の相当課程

海上[[自衛隊]]には「幹部特別課程」、航空自衛隊には「術科専攻課程」という、幹部特修課程に相当する課程が存在します。これらの課程は、いずれも2佐または3佐を主な対象としています。

海上[[自衛隊]]の幹部特別課程は、幹部としての素養教育と位置づけられており、指揮幕僚課程や幹部専攻科課程に合格できなかった者に対する救済措置的な意味合いを持ちます。この課程には選抜試験がなく、事実上、特別課程修了者は指揮幕僚課程修了者と同等の昇任が期待できます。

航空自衛隊の術科専攻課程は、一般教育ではなく、特定の専門分野における特技教育と位置づけられています。この課程を履修するためには、選抜試験に合格する必要があります。

関連項目

指揮幕僚課程（CGS）
技術高級課程（TAC）

外部リンク

幹部特修課程学生選抜規則
陸上自衛隊の教育訓練に関する訓令
海上[[自衛隊]]の教育訓練に関する訓令
航空自衛隊の教育訓練に関する訓令（防衛省・自衛隊情報検索サービス）

もう一度検索