技術高級課程

陸上自衛隊技術高級課程（Technical Administration Course：TAC）について

陸上自衛隊技術高級課程（TAC）は、高度な技術研究開発能力と行政手腕を備えた上級指揮官・幕僚を育成するために設けられた、陸上自衛隊教育訓練研究本部（旧陸上自衛隊幹部学校）に設置されている専門教育課程です。この課程は、旧帝国陸軍の陸軍砲工学校高等科に相当するものであり、陸上自衛隊における技術系幹部の育成において重要な役割を担っています。

課程の概要

技術高級課程の入校資格は、理工学修士以上の学位またはそれに相当する能力を有し、かつ幹部上級課程（AOC）を修了しているか、それと同等の能力を持つと認められた3佐から1尉までの40歳未満の隊員です。入校希望者は、まず1次試験（筆記試験、2日間）に臨み、合格者のみが続く2次試験（面接試験、3日間）に進むことができます。この選抜試験は非常に難易度が高く、狭き門となっています。また、本課程と指揮幕僚課程の受験回数は合わせて4回までと制限されており、両課程の併願受験は認められていません。

教育内容と修了後の進路

教育期間は約45週間に及び、高度な専門知識と実践的な能力を養うためのカリキュラムが組まれています。修了生は、主に防衛装備庁や陸上自衛隊開発実験団などの研究開発機関において、装備品等の研究開発業務に従事します。特に、防衛装備庁長官官房装備官（旧技術研究本部の陸上開発官）のポストは、本課程の修了者で占められており、本課程が陸上自衛隊の技術開発の中核を担っていることがわかります。

他の自衛隊における相当課程

なお、航空自衛隊には、本課程に相当する課程として航空兵器課程が存在します。こちらの入校資格は、技術開発職域に従事する佐官となっています。

まとめ

陸上自衛隊技術高級課程は、高度な技術力と行政能力を兼ね備えた幹部自衛官を育成するための、非常に専門性の高い教育課程です。修了生は、陸上自衛隊の技術開発を牽引する重要な役割を担い、日本の防衛力強化に貢献しています。

参考情報

• - 陸上自衛隊の教育訓練に関する訓令
• - 陸上自衛隊教育訓練研究本部指揮幕僚課程及び技術高級課程学生選抜規則

もう一度検索