幹部上級課程

幹部上級課程（AOC）とは

幹部上級課程（Advance Officer's Course; AOC）は、陸上自衛隊の幹部自衛官を対象とした教育課程であり、三等陸佐への昇任を希望する者にとって必須の課程です。また、昇任希望の有無に関わらず、幹部拝命後5～6年が経過した幹部自衛官は、陸上幕僚長が特に認めた場合を除き、この課程を履修しなければなりません。

陸上自衛隊における幹部上級課程

陸上自衛隊では、幹部任官からおおむね5～6年が経過すると、各職種学校において中級指揮官および幕僚として必要な知識・技能を習得するための教育が行われます。この課程の教育期間は約半年であり、修了後は主に中隊長や大隊の幕僚などの職務に就きます。

特筆すべき点として、医官などの一部の職種を除き、三等陸佐への昇任には本課程の修了が必須条件となります。また、この課程を修了することで、指揮幕僚課程（CGS）、技術高級課程（TAC）、幹部特修課程（FOC）といった、より上位の課程への選抜試験の受験資格が得られます。これらの試験に合格した者は、さらに上位の指揮官などとして活躍する道が開かれます。

入校要件としては、入校時点で50歳未満の1等陸尉または2等陸尉であることが定められています。

航空自衛隊における幹部上級課程

航空自衛隊にも、陸上自衛隊の幹部上級課程に相当する課程として、航空自衛隊幹部学校に「幹部普通課程」が設置されています。この課程は、1尉から2尉を対象に約12週間の教育が行われ、幹部自衛官としての資質の向上、および中級指揮官や幕僚として必要な基礎的知識・技能の習得を目指します。

航空自衛隊においては、指揮幕僚課程学生を受験するためには、この幹部普通課程の修了が必須条件とされています。

関連課程

幹部上級課程に関連する課程として、以下のものが挙げられます。

幹部初級課程（BOC）：幹部自衛官としての基礎を学ぶ課程
指揮幕僚課程（CGS）：より高度な指揮・幕僚としての知識・技能を学ぶ課程
技術高級課程（TAC）：技術に関する高度な知識・技能を学ぶ課程
幹部特修課程（FOC）：特定の分野における専門知識・技能を学ぶ課程

外部リンク

陸上自衛隊の教育訓練に関する訓令
航空自衛隊の教育訓練に関する訓令（防衛省・自衛隊情報検索サービス）

もう一度検索