幼年期の終わり (TRPGリプレイ)

ナイトウィザード リプレイ「幼年期の終わり」

『幼年期の終わり』は、テーブルトークRPG『ナイトウィザード』のリプレイ作品で、2005年にサプリメント「ロンギヌス」に書き下ろし掲載されました。後に続編「地球の長い午後」と合わせて『エターナルブレイヴ』として文庫化されています。

概要

本作は、書籍判サプリメントのメリットを生かし、詳細な戦闘配置図とマップを掲載することで、戦闘描写をより分かりやすくしています。物語は、これまで世界観の中で理解が難しかった「裁定者」に焦点を当て、その力を巡る陰謀と戦いを描いています。また、菊池たけし氏以外のゲームマスターによる初の『ナイトウィザード』リプレイとしても注目されました。

タイトルはアーサー・C・クラークのSF小説『幼年期の終り』のパロディですが、内容に関連性はありません。

あらすじ

元ロンギヌスのメンバーだった流鏑馬勇士郎は、戦いを退き、姉が経営する喫茶店で平穏な日々を送っていました。しかし、水族館で出会った不思議な少女「Es」との出会いが、彼の日常を一変させます。

一方、絶滅社のウィザード鹿島はるみは、突然同僚に襲われ、組織から追われる身となります。身を寄せる先として、父の知り合いである真魅を頼り、喫茶店でメイドとして働くことになります。勇士郎は、はるみがEsにそっくりであることに驚愕しますが、はるみは勇士郎との面識がないと言います。

やがて、真魅は絶滅社の傭兵ウィザードから、はるみが持つ秘密を告げられます。その秘密とは、はるみとEsが「裁定者」と呼ばれる存在であり、世界結界が作り出す「常識」を規定できる力を持っているということでした。

裏界魔王アー＝マイ＝モニカは、「裁定者」の力を得るために動き出し、ウィザードたちは世界の支配権を巡って争います。はるみは、世界の命運を左右する決断を迫られることになります。

登場人物

プレイヤーキャラクター

流鏑馬 勇士郎 (たのあきら)：勇者 (Lv.4) / 転生者 (Lv.0)。過去の記憶を持つ老成した少年。引退して普通の高校生として暮らしたいと思っている。
鹿島 はるみ (藤井忍)：魔術師 (Lv.4)。絶滅社所属のウィザードだったが、組織に追われる身となる。実は可能性を操る裁定者「Es」の別人格。
流鏑馬 真魅 (鈴吹太郎)：陰陽師 (Lv.2) / 夢使い (Lv.2)。勇士郎の姉で喫茶店経営者。絶滅社に在籍していた頃にデュナミスと友人関係にあり、彼の娘ということで鹿島はるみを保護する。
ロンギヌス00（三ツ矢伊右衛門） (菊池たけし)：人造人間 (Lv.4) / 強化人間 (Lv.0)。アンゼロットが作り出した戦闘人形。Esを魔王から守るために派遣された。

ノンプレイヤーキャラクター

Es(エス）：デュナミスによって作られた裁定者。鹿島はるみとしての人格を植え付けられ、普段はその存在を封印されている。
デュナミス：鹿島はるみの父である絶滅社の魔術師。Esとはるみを娘として愛していた。
“貪欲の魔王”アー＝マイ＝モニカ：裏界の魔王。Esの力を利用して世界を意のままにしようと企む。

その他の用語

裁定者：世界結界が作り出す「常識」を決定できる人物。Esは、自分だけの力で世界結界を書き換えられる特殊な裁定者。
ロンギヌス：アンゼロットにより結成された世界を守るための精鋭部隊。勇士郎と00が所属。

マジカル・ウォーフェアとの関連

本作は、複数のリプレイをつなぐ大河物語「マジカル・ウォーフェア」の一編でもあります。この物語でのアー＝マー＝モニカの敗北が、魔王たちのウィザード社会への攻撃を激化させる要因となります。

作品一覧

ロンギヌス
* エターナルブレイヴ

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