広将棋

広将棋：囲碁盤を用いた奥深い戦略ゲーム

広将棋は、荻生徂徠が考案したとされる、囲碁の19路盤を用いた二人対戦のボードゲームです。他の将棋類とは異なる独自のルールと、34種類もの多様な駒が存在します。本稿では、広将棋の魅力を余すことなく解説します。

ルール

広将棋の基本ルールは、本将棋とは大きく異なります。盤は囲碁盤を使用し、駒はマス目ではなく、囲碁や中国象棋のように交点に配置します。駒にはそれぞれ固有の動きがあり、白石は黒、黒石は白、成駒は朱色で表記されます。

駒の配置と移動: 競技者は交互に自分の駒を1つずつ動かします。持ち駒の概念はありません。自陣は自分の視点から六路目まで、敵陣は敵の視点から六路目までです。
駒の捕獲: 相手の駒のある場所に自分の駒を動かすと、相手の駒を取ることができます。これを「殺す」といいます。また、空いている場所に駒を移動し、そこから離れた敵の駒を取ることを「射る」といいます。「n路射」は、ある方向のn路以内にいる駒を射ることができることを意味します。駒を動かさずに敵の駒を取ることを「居喰い」といいます。
成り: 敵陣に入った駒や、特定の駒を取った駒は「成る」ことで能力が変化します。具体的には、将、中軍、旗、鼓を取った場合、力士、龍驤、招揺、霹靂を取った場合、仏狼機を馬兵が取った場合、記室が軍師に成った場合などに成ります。高道が死んでいる場合、旗と鼓は成ることができません。霹靂と招揺は、高道が死ぬと旗と鼓に戻ります。また、聖燈から八方向5路の場所に五里霧があれば、それは高道に戻ります。
敗北条件: 自分の将と「中軍と旗のどちらか」を取られると敗北となります。ただし、中軍が帥に成った場合は、将と同じ扱いとなり、将と旗を取られても負けになりません。記室が軍師に成ると、敵の毒火は死にます。
二著: 一度に二手分動かせる場合があります。一手目で止まっても構いません。

駒の動きと制限

34種類の駒はそれぞれ異なる動き方を持ちます。詳細な動きは、広将棋の専門書を参照ください。駒の捕獲には、射る場合と殺す場合で制限があります。例えば、仏狼機は6路以上離れた所からなら五里霧を射ることができ、高道と神僧は相手の駒を移動して取ることはできません（相手の高道と神僧は除く）。天塁は、車、車総、砲車、神機車には移動して取られることはありません。

用語

殺す: 敵の駒のある場所に自分の駒を動かし、駒を取る。
射る: 空いている場所に動いて、そこから離れた敵の駒を取る。「n路射」は、ある方向のn路までにある駒を射ることができることを意味する。
居喰い: 駒を動かさずに敵の駒を取る。
死ぬ: 駒が射られる、殺されるなどして盤上から除かれること。
二著する: 一度に二手分動かせること。一手目で止まってもよい。

初期配置と駒一覧

初期配置は、文献『広象棋譜』に基づきます。駒の種類と配置については、文献を参照してください。34種類の駒それぞれに詳細な説明が必要です。

参考文献

広将棋譜 / 物茂卿 著
広象棋譜・広象棋譜愚解
* 先哲叢談 六巻 - 荻生徂徠が広象棋の作者であるとの記述がある

まとめ

広将棋は、囲碁盤を用いた奥深い戦略性と、多様な駒による複雑な動きが特徴のボードゲームです。本将棋とは全く異なる戦略を必要とするため、将棋愛好家にとっても新鮮な体験となるでしょう。この解説が、広将棋の世界への入り口となれば幸いです。より深く理解するには、専門書や文献を参照することをお勧めします。

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