広島平和音楽祭

広島平和音楽祭について

広島平和音楽祭（ひろしまへいわおんがくさい）は、平和をテーマにした音楽イベントとして、1974年から1993年にかけて開催されました。この音楽祭は著名な作曲家・古賀政男が実行委員長を務め、毎年8月に広島で行われました。また、同音楽祭を題材にしたテレビ番組も放送されており、視聴者に向けて広島の平和のメッセージが届けられていました。

歴史と開催経緯

初回の開催は1974年8月9日で、会場は広島県立総合体育館でした。この初回には、人気歌手である美空ひばりが「一本の鉛筆」を披露し、その歌声が多くの人々の心に深く刻まれました。音楽祭の中で特に記憶に残るのは、1977年の第4回広島平和音楽祭です。この際、古賀政男は島倉千代子のために「ひろしまの母」を作曲し、これが彼の最後のレコードとなる重要な作品となりました。

1981年の第8回音楽祭では、広島出身の歌手西城秀樹が「リトルガール」を歌い上げ、その夜のために作られた「天と地の架け橋」も発表されました。こうしたパフォーマンスの模様は、広島テレビが先行して放送し、その後日本テレビ系列でも再編集された映像が公開されました。

さらに、この音楽祭では歌詞を一般から募集し、優れた作品には「ゴールデン・メイプル賞」が授与されました。第6回音楽祭では、庄野真代が歌う「相生橋で」が一般の応募から選ばれ、その後レコード化もされるなど、一般参加を促す試みが行われました。

会場と運営

音楽祭の開催場所は後に広島サンプラザホールに移りましたが、1993年に行われた第20回音楽祭を最後に、イベントは終了となりました。この音楽祭は、和田アキ子や明石家さんまなど、著名な人物が司会を務めることもあり、毎年多くの観客が集まりました。

ソフト化と記録

広島平和音楽祭は、音楽だけでなく、その模様を記録した映像作品も存在します。たとえば、美空ひばりが出演した第1回の収録や、1988年の第15回の映像をまとめたビデオアルバムが、2001年にリリースされました。このビデオには、美空ひばりの最後の公開収録となった時の映像も含まれており、彼女の貴重な歌声を楽しむことができます。

広島平和音楽祭は、音楽を通じて平和の重要性を呼びかける場として多くの人々に愛されてきました。そして、今もなおその精神は受け継がれています。

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