広島文理科大学 (旧制)

旧制広島文理科大学の概要

旧制広島文理科大学（きゅうせいひろしまぶんりかだいがく）は、1929年4月に広島市に設立された日本初の官立単科大学です。この大学は、広島高等師範学校を基盤にし、中等教育に従事する教員を育成することを主な目的としていました。このように、旧制広島文理科大学は「旧二文理大」の一つとして位置づけられています。

大学の設立経緯

大学の設立は1915年に遡ります。この年、広島県に中国帝国大学の設置提案がなされ、その後、様々な運動を経て大学令の公布を受けました。そして1919年に広島高等師範学校が大学に昇格される運動が始まります。1923年には文理科大学設置案が可決され、1929年にようやく設立の運びとなりました。

学術構成

旧制広島文理科大学は、3年間の修業年限を定め、教育学や哲学、歴史、文学、数学、物理学、化学、生物学、地学を含む9つの学科および17の専攻を設置しました。この大学では女子学生も正規に受け入れられた点が特筆されます。卒業生の多くは全国の師範学校や中学校の教員として活躍しました。

原爆による影響と復興

1945年8月6日、広島に投下された原爆により、旧制広島文理科大学も深刻な被害を受けました。校舎の大部分が焼失し、教職員や学生の多くが命を落としました。原爆投下直後、大学は全国各地に分散し、疎開を余儀なくされました。その後、1946年には校舎が復興され授業が再開されました。

現在の継承

旧制広島文理科大学は、1950年に国立広島大学として新たなスタートを切ります。その後、現在の広島大学文学部や教育学部、理学部の草分け的な存在として、教育研究の場としての役割を果たしました。文理科大学の卒業生による同窓会「尚志会」も設立され、広島大学の教育の質を向上させるための活動を続けています。

まとめ

旧制広島文理科大学は、日本の教育史において重要な役割を果たしており、多くの才能を育成してきました。原爆という大きな試練を経て復興し、新生の広島大学へとバトンをつなげました。その歴史的意義は、今日も広島大学だけでなく、広く教育界にも影響を与え続けています。

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