広島県道・岡山県道102号下御領井原線

広島県福山市と岡山県井原市にまたがる広島県道・岡山県道102号下御領井原線（ひろしまけんどう・おかやまけんどう102ごうしもごりょういばらせん）は、両県を跨ぐ一般県道として位置づけられています。この路線は、広島県福山市神辺町にある下御領地区を起点とし、岡山県井原市の上出部町（かみいずえちょう）に至る、およそ10キロメートルにわたる道のりです。

路線の役割と特徴

本路線は、主要な幹線道路である国道313号（および重複する国道486号）とほぼ並行して伸びています。この地理的な関係から、国道が混雑した場合などに機能する代替ルートとしての重要な役割を担っています。福山市神辺町と井原市を結ぶ地域間の交通を円滑にする上で、住民の日常生活や地域経済活動を支える基盤となっています。

起点は、福山市神辺町字下御領にある国分寺前交差点で、ここでは国道313号と交差するほか、広島県道181号下御領新市線の起点にもなっています。一方、終点は岡山県井原市上出部町に位置する上出部町東桜木交差点であり、岡山県道34号笠岡井原線に接続しています。

路線データ

路線全体の実延長は、広島県内で5.053キロメートル、岡山県内で4.8キロメートルとなっており、両県を合わせると約9.853キロメートルとなります。この路線は、1972年（昭和47年）11月24日に岡山県および広島県の告示によって正式に県道として認定されました。

歴史的な経緯

認定以降、本路線の周辺地域や経路にはいくつかの変更がありました。特に大きな出来事としては、2006年（平成18年）3月1日に、沿線自治体であった深安郡神辺町が福山市に編入されたことが挙げられます。また、近年では経路の一部変更も行われており、2014年（平成26年）2月18日には、岡山県告示に基づき、広島県境付近の旧道区間が井原市の管理する市道へと移管されました。

さらに、2014年 4月27日には、国道313号（国道486号重複）の神辺バイパスが部分的に開通したことにより、このバイパスとの新たな接続点である中島交差点が供用を開始し、本路線の利用状況にも変化が生じています。

道路の状況

路線の途中には、他の県道と重複する区間が存在します。広島県福山市神辺町大字八尋付近では広島県道189号福山上御領線と、また岡山県井原市大江町付近では岡山県道・広島県道3号井原福山港線とそれぞれ重複しています。これらの区間では、両方の路線としての標識が設置されています。

道路施設としては、福山市内において新唐橋が高屋川を渡る重要な橋梁として利用されています。また、この県道はおおむね古代から交通の要衝であった旧古代山陽道と並行するようなルートを通っています。

地理と沿線の見どころ

本路線が通過する自治体は、広島県福山市と岡山県井原市の二市です。ルート上では、複数の道路と交差するほか、井原鉄道井原線とも交差しています。

沿線には、地域住民の生活を支える様々な施設や、訪れる人々を楽しませる名所・旧跡が点在しています。交通アクセスとしては、井原鉄道井原線の御領駅や井原駅が比較的近くに位置しています。教育施設としては福山市立神辺東中学校や井原市立大江小学校があり、産業面では神辺工業団地が立地しています。また、井原運動公園や相原公園（桜の名所として知られる）、井原リフレッシュ公園といった公園施設も整備されています。

歴史や文化に触れる場所としては、備後地方の歴史を伝える備後国分寺、筝曲家として著名な葛原勾当の旧宅、そして信仰の対象である長澤神社や嫁いらず観音院などがあります。

これらの施設や見どころは、広島県道・岡山県道102号下御領井原線が単なる通過ルートではなく、地域の生活や歴史、文化と深く結びついた道であることを示しています。

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