広島県道・岡山県道103号七曲井原線

広島県道・岡山県道103号七曲井原線

概要

本路線は、広島県福山市山野町に位置する山野地区から、岡山県井原市下出部町に至る一般県道です。中国地方の二つの県に跨る区間を有し、起点である広島県福山市と終点である岡山県井原市を結び、両地域の交流や交通を支える役割を果たしています。

路線データ

本路線の具体的な情報は以下の通りです。

起点: 広島県福山市山野町大字山野。ここでは広島県道21号加茂油木線に接続しています。
終点: 岡山県井原市下出部町。ここでは国道313号に接続しています。
実延長: 広島県側の区間は約5.145キロメートル、岡山県側の区間は約5.9キロメートルです。

歴史

本路線は、1960年10月10日に岡山県告示第916号および広島県告示第682号によって県道として正式に認定され、その歴史が始まりました。その後、県道番号の整理が進められ、特に広島県側の区間については、1972年11月1日に現在の県道番号である103号に改められています。路線の通過する地域の自治体合併も、この県道の表記や管理に影響を与えています。例えば、1975年2月1日には、路線の起点が含まれていた当時の深安郡加茂町が福山市に編入されたことで、起点の所在地表記が「深安郡加茂町山野」から現在の「福山市山野町山野」へと変更されました。さらに、2006年3月1日には深安郡神辺町も福山市に編入されており、福山市域を通過する区間が拡大しています。

路線状況

道路施設

岡山県内の区間には、道路構造物としていくつかの橋梁が存在します。具体的には、井原市内を流れる高屋川を渡る高屋橋や後月橋などが確認されています。

並行する旧街道

この県道の一部区間は、かつて主要な交通路であった石見銀山街道の一部ルートと並行しています。この石見銀山街道は、石見銀山から上下宿、高屋宿を経て笠岡港へ至る重要な道でした。特に、岡山県井原市高屋町の旧山陽道（古代から近世にかけての山陽道）から広島県福山市神辺町大字三谷を経て、府中市上下地区へ向かうルートの一部が、本県道と重なるように通っています。ただし、七曲峠より北側の区間については、かつての街道筋をそのまま踏襲する形で整備された車道は現在存在していません。

地理

通過する自治体

本路線は、以下の自治体を通過します。

広島県
福山市
岡山県
* 井原市

沿線

この県道沿いには、地域に根差した様々な施設や自然景観が見られます。岡山県井原市高屋町には、古くから信仰を集める消渇神社があり、特に男性器を神様として祀る珍しい神社として知られています。また、同地域には歴史を感じさせる高山寺が静かに佇んでいます。季節によっては、すど観光農園で果物狩りなどを楽しむことができます。井原市笹賀町に広がる経ヶ丸山周辺は自然豊かなエリアで、レクリエーション施設が充実しています。広大な敷地を持つ経ヶ丸グリーンパークは、子供から大人まで楽しめる多目的公園であり、隣接する経ヶ丸オートキャンプ場は、アウトドア愛好家にとって人気のスポットとなっています。教育機関としては、井原市立高屋小学校が沿線に位置し、地域の子供たちが通っています。公共交通機関を利用する場合、終点近くには井原鉄道井原線の子守唄の里高屋駅があり、鉄道路線へのアクセスも比較的容易です。

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