広島県道176号小河原志和線

広島県道176号小河原志和線（ひろしまけんどう176ごうおがわらしわせん）は、広島県に位置する一般県道です。この路線は、県庁所在地である広島市の北部、安佐北区から東広島市にかけての地域を結んでおり、主に山間部を通過するルートをとります。

概要

本路線の起点は、広島市安佐北区小河原町に設けられている「緑化センター入口交差点」です。ここでは、主要地方道である広島県道70号広島中島線と接続しています。一方、終点は東広島市志和町別府にあり、こちらは広島県道33号瀬野川福富本郷線に接続しています。県道176号の総延長は9.77キロメートルと比較的小規模な路線ですが、地域における重要な連絡路としての役割を担っています。

路線状況

広島県道176号小河原志和線の特徴の一つとして、広島市安佐北区狩留家町の一部に車両の通行が困難な「通行不能区間」が存在することが挙げられます。この区間を通過するためには、並行する林道を利用して迂回する必要がありますが、林道は道幅が狭く、特に大型車両での通行は困難を伴います。通行を予定している場合は、事前に道路状況を確認することが重要です。

地理

この県道が通過する自治体は、起点を擁する広島市（安佐北区）と、終点がある東広島市です。路線の沿線には、市民の憩いの場である「広島緑化植物公園」があり、園へのアクセス道路としても利用されています。また、経路の途中、広島市安佐北区狩留家町には「湯坂峠」があり、この峠道が路線の難所の一つとなっています。主な交差道路としては、起点で接続する広島県道70号広島中島線と、終点で接続する広島県道33号瀬野川福富本郷線があります。これらの道路を通じて、周辺地域や広域交通網との連携が図られています。

歴史

広島県道176号小河原志和線の歴史は、1960年（昭和35年）10月10日にまで遡ります。この日、広島県告示第682号により、「広島県道29号小河原志和線」として一般県道に認定されたのが始まりです。その後、1972年（昭和47年）11月1日には、広島県で実施された県道番号の見直しに伴い、現在の「広島県道176号小河原志和線」という名称に変更されました。

路線の起終点を示す地名表記は、周辺自治体の合併や行政区分の変更を受けて、何度か改められています。まず、1973年（昭和48年）3月20日には、安佐郡高陽町が広島市に編入されたため、起点の地名表記が「安佐郡高陽町小河原」から「広島市高陽町小河原」となりました。続いて、1974年（昭和49年）4月20日には、賀茂郡の西条町、志和町、高屋町、八本松町が合併して東広島市が発足したことにより、終点の地名表記が「賀茂郡志和町七条椛坂」から「東広島市志和町七条椛坂」に変更されました。さらに、1980年（昭和55年）4月1日には、広島市が政令指定都市に移行し、旧安佐郡や高田郡の一部をもって安佐北区が設置されたことを受け、起点の地名表記が「広島市高陽町小河原」から現在の「広島市安佐北区高陽町小河原」へと再度変更されています。

また、路線の区間そのものにも大きな変遷がありました。1993年（平成5年）5月11日、建設省（現在の国土交通省）は、本路線の一部、特に志和インターチェンジ周辺の区間を「志和インター線」として主要地方道に指定する方針を示しました。これを受けて、翌1994年（平成6年）4月1日、広島県告示第406号により「広島県道83号志和インター線」が新たに県道として認定されました。この認定に伴い、県道176号の終点側区間、具体的には東広島市志和町別府にある広島県道33号瀬野川福富本郷線との交点より南側の区間が、新設された県道83号へと移管されました。これにより、広島県道176号小河原志和線は現在の9.77キロメートルという長さに短縮され、現在の姿となりました。

このように、広島県道176号小河原志和線は、その認定から現在に至るまで、周辺地域の行政区分の変更や、上位路線への昇格に伴う区間変更など、様々な歴史的な経緯を経てきました。現在も、山間部を結ぶ地域密着型の県道として利用されています。

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