広島県道271号八木広島線

広島県道271号は「八木広島線」と称される、広島市内に位置する一般県道の一つです。この路線は、同市の安佐南区を起点とし、太田川を渡って安佐北区を経由した後、東区へと至ります。総延長は約2.9キロメートルと比較的に短いながらも、起点付近に位置する高瀬堰の堰堤上を通過するというユニークな経路を持っています。主に安佐南区八木地区と安佐北区・東区の一部地域を結び、地域内の連絡道路としての役割を担っています。

路線の詳細データ

当路線の起点は、広島市安佐南区八木五丁目に設けられています。「高瀬堰入口」と名付けられたこの交差点は、主要幹線道路である国道54号（可部街道）と接続しており、交通の結節点となっています。国道54号は広島市中心部と広島市北部、さらには三次方面を結ぶ幹線道路であり、当路線はここから分岐することで、地域の交通ネットワークに組み込まれています。

一方、終点は広島市東区戸坂惣田一丁目に位置します。「戸坂惣田1丁目3番」交差点がその場所であり、この地点は既に広島県道37号広島三次線の経路上にあります。したがって、当路線は県道37号に合流し、その終点を迎える形態となっています。路線の総延長は前述の通り約2.9キロメートルであり、比較的短い区間を結ぶ生活道路としての性格が強いと言えます。

路線状況

当県道は、その短い総延長の中に、他路線との重複区間や特徴的な道路構造を含んでいます。
特に、広島県道37号広島三次線とは、広島市安佐北区口田南一丁目の「弘住神社前」交差点から終点である東区戸坂惣田一丁目の「戸坂惣田1丁目3番」交差点までの区間で経路を共有しています。この重複区間は当路線の約半分を占め、終点まで県道37号と一体となっています。この区間では、両路線の交通が混在しており、周辺地域へのアクセス路として利用されています。

主要な道路構造物として、太田川を跨ぐ「高瀬大橋」が挙げられます。この橋は、当路線のうち安佐南区八木から安佐北区口田南へ至る区間に位置し、太田川の流れを越える役割を果たしています。高瀬大橋を含む区間は、当路線の最大の特徴である高瀬堰の堰堤上を利用しています。高瀬堰は太田川の治水や利水（上水道用水の取水など）を目的とした重要な施設であり、その管理用道路の一部が県道として供用されている形です。堰堤上を走る区間は、視界が開けており、太田川の景観を望むことができます。

地理

当県道が通過する自治体は、広島県広島市のみです。市内においては、起点の安佐南区八木五丁目から始まり、太田川を高瀬大橋で渡り安佐北区口田南を通過し、最終的に東区戸坂惣田一丁目に至るという順序で地域を結んでいます。安佐南区八木地区は太田川沿いの平野部で住宅地が多く、安佐北区口田南や東区戸坂惣田は太田川や支流沿いに形成された集落や住宅地が点在する地域です。

主な交差・接続する道路としては、起点である安佐南区八木の「高瀬堰入口」交差点で国道54号（可部街道）と接続しています。また、終点および路線の後半区間である安佐北区口田南から東区戸坂惣田にかけては、広島県道37号広島三次線と重複・接続しています。これらの幹線・主要地方道との接続により、当県道は広域的な交通網へのアクセス路としての機能も担っています。

沿線には、路線のユニークな特徴ともなっている高瀬堰があります。これは太田川本川に設けられた治水・利水施設であり、その管理用道路の一部が当県道として利用されています。このため、堰の構造や周辺の水辺環境を間近に見ながら通行することができます。また、JR西日本芸備線の安芸矢口駅も沿線近く、特に重複区間を走行する県道37号および当県道から比較的容易にアクセス可能です。安芸矢口駅は芸備線の一駅であり、地域の鉄道交通における拠点の一つとなっています。駅周辺には住宅地が広がっており、当県道は駅へのアクセス路としても利用されています。

まとめ

広島県道271号八木広島線は、広島市安佐南区と東区を結ぶ総延長約2.9kmの一般県道です。起点で国道54号から分岐し、高瀬堰の堰堤上にある高瀬大橋で太田川を渡り、終点近くで広島県道37号広島三次線と合流・重複して終点に至ります。短いながらも高瀬堰上を通るという珍しい経路を持ち、沿線にはJR安芸矢口駅なども位置しており、地域住民の生活道路や沿線施設へのアクセス路として重要な役割を果たしています。広島市内の地域交通網を補完する路線の一つです。

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