広島県道318号上入江吉田線

広島県道318号上入江吉田線

広島県道318号上入江吉田線は、広島県安芸高田市内を通過する一般県道として指定されています。

概要

この県道は、安芸高田市吉田町上入江を起点とし、同じく安芸高田市吉田町国司を経て、最終的に安芸高田市吉田町吉田に至る路線です。公式な終点の所在地は吉田町吉田とされています。

この路線は、過去に存在した広島県道318号山手吉田線の経路を引き継ぎ、解消・再編されて成立した県道です。さらに遡ると、その前身である山手吉田線もまた、広島県道157号国司山手線の再編によって生まれた経緯を持っています。このように、この県道は複数の旧県道の流れを汲む複雑な歴史を持っています。

興味深い点として、現在の路線の区域が formally に決定される以前から、安芸高田市吉田町国司にある広島県道29号吉田豊栄線の案内標識には、この路線の起点がある上入江が行き先として表示されていました。この標識がいつ設置されたのかは定かではありませんが、古くから江の川沿いに上入江方面へ抜ける道が存在し、それが一定程度認識されていたことがうかがえます。

ただし、現在の道路状況としては、道幅が狭い箇所が多い上に、案内標識などの整備も十分とは言えません。そのため、国道54号（重複する国道183号を含む）の迂回路として利用するには適さない状況です。

路線データ

起点: 安芸高田市吉田町上入江（新可愛橋南詰交差点、国道54号に接続）
終点: 安芸高田市吉田町吉田（バスセンター北入口交差点、こちらも国道54号に接続）
実延長: 7.5キロメートル

歴史

広島県道318号上入江吉田線は、1996年（平成8年）4月25日に広島県告示第469号によって県道として認定されました。

この路線の前身となったのは、広島県道29号吉田豊栄線の一部、広島県道318号山手吉田線の一部、広島県道327号古屋吉田線の一部、そして当時の吉田町道の一部です。しかし、県道として認定された後も、なぜか約8年間という長きにわたり、路線の具体的な区域決定が行われませんでした。

大きな動きがあったのは2004年（平成16年）です。

2004年3月1日：高田郡内の6町（吉田町、八千代町、美土里町、高宮町、甲田町、向原町）が合併して安芸高田市が発足しました。これに伴い、この路線の起終点の地名表記も変更されました。
2004年3月18日：認定から約8年を経て、ようやく広島県告示第410号により、この県道の全線にわたる区域が決定されました。
2004年3月22日：広島県告示第430号によって、前身の一つであった広島県道318号山手吉田線が正式に廃止されました。これにより、上入江吉田線と山手吉田線の間の重複関係や、同じ番号を持つ二重番号の状態が解消されました。

路線状況

重複区間

この県道は、安芸高田市吉田町国司から安芸高田市吉田町吉田にかけての区間で、広島県道29号吉田豊栄線と重複しています。

道路施設

路線上にはいくつかの橋梁が存在します。主なものは以下の通りです。

大樋橋（砂田川を渡る、安芸高田市竹原）
岩ノ城橋（江の川、別名可愛川を渡る、安芸高田市吉田町国司 - 安芸高田市吉田町常友間に位置し、広島県道29号吉田豊栄線との重複区間内にあります）
* 港橋（多治比川を渡る、安芸高田市吉田町吉田に位置し、こちらも広島県道29号吉田豊栄線との重複区間内にあります）

地理

通過する自治体

この県道が通過するのは、広島県安芸高田市のみです。

交差する道路

主要な接続道路としては、起終点において国道54号（国道183号重複）と交差するほか、路線の一部区間では広島県道29号吉田豊栄線と重複しています。

沿線

路線の沿線には、江の川（可愛川）の清流、安芸高田警察署、毛利氏の重臣であった福原広俊の墓、そして福原城跡などがあります。

まとめ

広島県道318号上入江吉田線は、複雑な歴史を経て成立した安芸高田市内の一般県道です。現在の道路状況は必ずしも良好とは言えませんが、沿線には歴史的な史跡や自然も見られます。今後、地域の交通網の中でどのような役割を担っていくのか注目される路線と言えるでしょう。

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