福原広俊

福原広俊

福原広俊（ふくばら ひろとし）は、安芸福原氏に見られる名前であり、複数の人物が存在します。ここでは、特に重要な4人の福原広俊について解説します。

福原氏について

福原氏は、安芸毛利氏の一族であり、その祖先は大江広元に遡ります。「広」の字は広元に由来し、代々受け継がれていきました。しかし、時代とともに「俊」の字も通字として用いられるようになり、「福原貞俊」や「福原元俊」といった名前も現れるようになりました。これらの名前は、祖先にちなむ場合や、毛利氏からの偏諱の授与によって名付けられたと考えられています。

福原広俊 (8代当主)

室町時代中期の武将であり、安芸福原氏の当主です。毛利興元と毛利元就の外祖父にあたります。福原氏は、毛利元春の子である広世が長井氏に養子に入った際、その領国の地名から福原姓を名乗ったのが始まりです。広俊の祖父・広世と父・朝広は毛利本家に忠誠を尽くし、福原氏発展の基礎を築きました。毛利豊元から兄と呼ばれるほど信任を受け重用され、毛利弘元の外戚となり、毛利家における福原氏の地位を不動のものにしました。応仁の乱では西軍に協力し、小国郷の地頭職を与えられました。

福原広俊 (10代当主)

戦国時代の武将であり、安芸福原氏の第10代当主です。毛利家の筆頭家老を務め、毛利元就の家督相続において、他の宿老と共に起請文に署名しました。娘を各地の有力者に嫁がせ、毛利家における福原氏の立場をさらに強化しました。尼子氏が安芸国に侵攻してきた際には、居城である鈴尾城に篭城し奮戦しました。次男の元正は、元就の次男・元春が吉川氏へ養子に入った際、家臣団の筆頭として同行し、吉川氏一族の宮庄氏を相続しています。

福原広俊 (13代当主)

安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将であり、毛利輝元に仕えました。豊臣政権下では、穂井田元清・渡辺長・安国寺恵瓊と共に四年寄として行政に関与しました。文禄の役では軍事指揮官として活躍し、輝元・小早川隆景・吉川広家が帰国した後も残留しました。慶長3年（1598年）に豊臣秀吉が亡くなると、二宮・榎本元吉・堅田元慶・恵瓊とともに上方で輝元を補佐する役割を担いました。関ヶ原の戦いでは西軍に属し、安濃津城の戦いに参戦しました。戦後、輝元が減封されると、広俊も本領を維持できず、長門吉敷の地を領しました。徳川政権下では、戦後対策を一手に引き受け、萩城の築城や藩体制の確立に尽力しました。大坂の陣の時期は、江戸城二の丸普請の大奉行を務めました。元和8年（1622年）に家督を譲って隠居し、翌年死去しました。

福原広俊 (15代当主)

江戸時代の武士であり、長州藩士です。藩主・毛利綱広より偏諱の「広」の字を受けたため、同名を称しました。

このように、福原広俊という名前は、時代を超えて福原氏の中で受け継がれ、それぞれの時代において重要な役割を果たしました。

もう一度検索