広島県道356号豊浜蒲刈線

広島県道356号豊浜蒲刈線について

広島県道356号豊浜蒲刈線は、広島県呉市内を走る重要な一般県道です。この路線は、呉市豊浜町大字豊島を起点とし、終点は同じ呉市に属する蒲刈町大浦に設定されています。安芸灘に浮かぶ島々、具体的には豊島と上蒲刈島を結ぶ役割を担っており、これらの地域の生活や物流を支える基盤となっています。

歴史的背景と経緯

この県道が認定されたのは、豊田郡豊浜町と安芸郡蒲刈町が広域合併によって呉市となる以前のことでした。1999年（平成11年）12月20日、広島県の告示第1159号をもって正式に路線として認められました。県道指定がなされた当時、この区間には上蒲刈島の大浦港、豊島港、そして大崎下島の立花港を結ぶフェリー航路が存在しており、県道指定は陸上区間だけでなく、この航路の一部にも相当する形で行われていました。その後、安芸灘諸島間の連絡を強化するための架橋プロジェクトが進められ、豊島と上蒲刈島を結ぶ長大な橋梁である豊島大橋が完成しました。この橋の供用開始に伴い、2008年（平成20年）11月18日から現在のルートでの通行が可能となり、かつてのフェリーに代わって陸上交通路として本格的に機能を開始しました。

路線に関する基本情報

本路線の詳細なデータは以下の通りです。

起点: 呉市豊浜町大字豊島（広島県道354号豊島線との接続地点）
終点: 呉市蒲刈町大浦（広島県道287号上蒲刈島循環線との接続地点）
総延長: およそ3.9キロメートル

主な道路施設

この路線には、海上部を渡る橋梁とそれに続くトンネルという重要な構造物が含まれています。

豊島大橋

本路線の中核をなす施設の一つが豊島大橋です。この橋は「アビ大橋」という愛称でも知られています。全長は約903メートルに及ぶ、美しい吊り橋形式を採用しています。2008年（平成20年）11月18日の供用開始以来、豊島と上蒲刈島間のアクセスを劇的に改善しました。この橋は、本州本土と安芸灘諸島を結ぶ壮大な安芸灘諸島連絡架橋プロジェクトの一部として建設されたものであり、本州側から数えて3番目に位置する連絡橋です。

大浦トンネル

豊島大橋が上蒲刈島に接続する地点には、大浦トンネルがあります。このトンネルは全長が784メートルで、豊島大橋と一体的に整備されました。トンネルの完成・供用も橋梁と同じ2008年（平成20年）です。大浦トンネルを抜けると、ほどなく終点である広島県道287号上蒲刈島循環線との交差点に至ります。

通過自治体と周辺地理

広島県道356号豊浜蒲刈線は、その全区間が広島県呉市内に収まっています。豊浜町から蒲刈町へと至る沿線は、瀬戸内海の多島美が広がる風光明媚な地域です。

本路線が交差する主要な道路は以下の通りです。

広島県道354号豊島線（起点）
* 広島県道287号上蒲刈島循環線（終点）

沿線には豊島などの島々があり、豊かな自然景観を楽しむことができます。

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