広島県道362号小泉本郷線

広島県道362号小泉本郷線は、日本の都道府県道の一つであり、広島県が管理する一般県道として三原市内に指定されています。三原市の中心部から南側にかけてを東西に横断する形で延びており、地域の生活や産業活動を支える上で重要な役割を担っています。

路線概要

この県道の起点は、三原市小泉町に所在する生田橋南詰交差点です。ここでは、主要地方道である広島県道75号三原竹原線と接続しており、三原市北部や竹原方面へのアクセス起点となります。一方、終点は三原市本郷南5丁目に位置する仏通寺入口交差点です。この地点は、日本を代表する幹線道路である国道2号と交差しており、さらに一般県道である広島県道50号本郷久井線の起点ともなっています。このように、本路線は複数の主要幹線道路を結びつける、交通ネットワーク上の要衝としての性格を持っています。路線の総延長は約3.4キロメートルと比較的短いながらも、その接続性から周辺地域にとって価値の高い経路となっています。

路線状況

広島県道362号小泉本郷線の特徴的な点として、かつて主要ルートとして利用されていた区間（旧道）も、引き続き県道として指定されている状況が挙げられます。具体的には、三原市沼田西町惣定から三原市本郷町下北方にかけてのルートが旧道として扱われています。このため、三原市沼田西町惣定より北の区間では、新しく整備された現在のルートと、かつての旧道ルートという、二つの異なる経路が並存しています。利用者は目的や状況に応じて、いずれかのルートを選択して通行することが可能です。この新旧ルートの存在は、地域の交通網の歴史的な変遷を示すものでもあります。

歴史

本路線の歴史における注目すべき出来事として、終点の所在地に関する変更があります。2008年（平成20年）8月25日に実施された新しい住居表示に伴い、それまでの終点地名であった「三原市本郷町本郷」が「三原市本郷南5丁目」へと正式に変更されました。これは、地域における住所表示をより分かりやすく、体系的なものとするための行政的な措置によるものです。路線の物理的な終点位置自体に大きな変更はありませんが、行政上の地名が改められたことになります。

主な道路施設

路線沿いには、交通の円滑な流れを支えるためのいくつかの道路施設が設けられています。特に重要なものとしては、河川を渡るための橋梁があります。三原市内を流れる天井川を跨ぐ「生田橋」や、同じく三原市内を流れる沼田川を越える「小原大橋」などがこれにあたります。これらの橋は、地域の地理的な制約を克服し、路線の連続性を確保する上で不可欠な役割を果たしています。

通過自治体および交差する道路

広島県道362号小泉本郷線は、その全線が広島県三原市内に含まれており、他の市町村を通過することはありません。その短い区間の中で、複数の主要道路と接続しています。起点である三原市小泉町では広島県道75号三原竹原線と、そして終点である三原市本郷南5丁目では、国の幹線道路である国道2号および広島県道50号本郷久井線と接続しており、これらの幹線道路へのアクセスを提供しています。

沿線の様子

本路線の沿線には、地域経済を支える重要な産業拠点の一つである小原工業団地が立地しています。このため、県道は工業団地へのアクセス道路としての機能も果たしており、多くの通勤車両や物流車両が行き交います。沿線の周辺は、住宅地や農地、里山などの自然景観が混在しており、地域の生活道路としても、また産業支援道路としても多様な側面を持っています。

まとめ

広島県道362号小泉本郷線は、総延長こそ短いものの、三原市内の重要な地域を結び、主要な幹線道路ネットワークとの結節点としての役割を担う一般県道です。新旧ルートの存在や住居表示変更の歴史も持ち合わせており、地域の交通インフラとして、住民生活、産業活動、そして広域交通への貢献において不可欠な存在と言えます。

関連項目:

* 広島県の県道一覧

もう一度検索