広島県道370号高根島線

広島県道370号高根島線

広島県尾道市を走る一般県道に、広島県道370号高根島線（ひろしまけんどう370ごう こうねしません）があります。この県道は、瀬戸内海に浮かぶ高根島を文字通り一周する環状の経路を取ります。

概要

瀬戸内海に位置する高根島をぐるりと巡る本路線は、島内の主要な交通路として機能しています。起点は尾道市瀬戸田町高根地区にあり、終点も同じく尾道市瀬戸田町高根地区であるため、島を一周する環状線であることが分かります。路線の総延長は9.228キロメートルにおよび、このうち317メートルは重複区間の旧道部分にあたります。

歴史

路線の認定は1965年（昭和40年）3月31日、広島県告示第259号によって正式に行われました。

本路線の歴史において重要な出来事の一つに、島外との接続があります。1970年（昭和45年）7月27日には、広島県が高根地区で進めた団体営農道整備事業の一環として高根大橋が架けられました。この橋により、高根島は隣接する生口島と陸路で結ばれ、島の交通ネットワークと利便性が飛躍的に向上しました。それ以前にも、島内の交通網整備は進んでおり、1952年（昭和27年）には内の浦トンネルが素掘りの形で開通していました。

その後、県道番号が現在の「370号」に変更されたのは、1972年（昭和47年）11月1日のことです。

行政区画の変更も路線の歴史に関わります。2006年（平成18年）1月10日、路線が通る豊田郡瀬戸田町が尾道市に編入されました。これにより、通過する自治体の名称が豊田郡瀬戸田町から尾道市に変わりました。

島内の交通インフラ整備はその後も続けられました。古くから存在した内の浦トンネルについて、拡幅工事が進められることになり、2014年（平成26年）8月4日には素掘りトンネルの見納めとして見学会が実施されました。そして、拡幅工事は翌年の2015年（平成27年）7月に完成し、より安全で通行しやすいトンネルとして生まれ変わりました。

路線状況

本路線は高根島を一周する特性上、島内の集落や農地を結ぶ生活道路として重要な役割を担っています。特筆すべき道路施設としては、後述する内の浦トンネルがあります。

道路施設

* 内の浦トンネル：尾道市瀬戸田町高根に位置するこのトンネルは、2015年（平成27年）に竣工した比較的新しい構造物です。延長は111メートル、幅員は4メートルで、路線の通行を円滑にしています。

地理

本路線が通過する自治体は、広島県尾道市のみです。地理的には、瀬戸内海に浮かぶ高根島とその周辺が舞台となります。島の北東側で隣接する生口島とは、高根大橋を介して接続しており、島外とのアクセスポイントとなっています。

沿線に特に大規模な主要道路との交差点に関する情報は確認されていませんが、島内の集落や農業関連施設、海岸部などを巡る経路となっています。

広島県道370号高根島線は、小さな離島である高根島の交通インフラとして、住民の生活や産業を支える静脈のような役割を果たしています。

もう一度検索