広島県道404号小谷宇津戸線

広島県道404号小谷宇津戸線

概要

広島県道404号小谷宇津戸線は、広島県世羅郡世羅町内にその全線が完結する一般県道です。この路線は、世羅町の大字小谷を起点とし、同じく世羅町の大字宇津戸を終点としています。総延長はおよそ5.7キロメートルと比較的小規模な県道ですが、地域の交通網において重要な役割を担っています。

起点は世羅町大字小谷に位置しており、ここでは広島県道56号府中世羅三和線と接続します。一方、終点は世羅町大字宇津戸であり、主要幹線である国道184号に接続しています。この二つの主要道路を結ぶことで、地域内の移動や周辺地域へのアクセスを円滑にしています。

歴史的背景

現在の広島県道404号小谷宇津戸線は、過去に一度、大きな変遷を経験しています。1982年（昭和57年）までは「八田原宇津戸線」という名称で呼ばれていました。この名称変更の背景にあるのが、八田原ダムの建設事業です。

八田原ダムは、芦田川水系における治水や利水を目的に計画・建設されました。ダム湖が形成されるに伴い、かつての道路の一部が水没することになったため、新たなルートへの付け替え工事が行われました。この付け替えと同時に、路線の名称も現在の小谷宇津戸線へと変更されたのです。

また、八田原ダム建設に関連して、沿線地域にも変化がありました。かつては単独のダムとして存在した宇津戸ダムは、八田原ダムの建設によってその貯水区域の一部に取り込まれ、水没することとなりました。このように、この路線は八田原ダムの建設という大規模な事業と深く関わりながら、現在の姿へと至っています。

路線の特徴と施設

八田原ダム建設に伴う付け替え工事を経ていることから、広島県道404号小谷宇津戸線は全体的に道路状況が比較的良好であるという特徴を持っています。新しい規格で整備された区間が多く、快適な通行が可能です。

この路線の最も象徴的な構造物の一つが、八田原大橋です。八田原ダムによって形成されたダム湖である芦田湖を渡るために建設されました。この橋は斜張橋という構造を採用しており、その美しい姿は周辺景観と調和しています。八田原大橋は、通称「夢吊橋」とも呼ばれ、地域のランドマークとして親しまれています。湖面の上を渡る開放的な区間は、この県道のハイライトと言えるでしょう。

地理と沿線

広島県道404号小谷宇津戸線が通過する自治体は、全線にわたり世羅郡世羅町のみです。路線は主に山間部を縫うように走り、沿線には豊かな自然が広がっています。

沿線の主要な施設としては、路線の歴史と深く関わる八田原ダムとそのダム湖である芦田湖が挙げられます。ダム周辺は整備されており、湖畔の景観を楽しむことができます。また、先述の八田原大橋（夢吊橋）自体も、単なる交通施設としてだけでなく、景勝地としても認識されています。これらの施設は、ドライブやツーリングの目的地としても魅力的です。

まとめ

広島県道404号小谷宇津戸線は、約5.7kmの短いながらも、八田原ダム建設という歴史的な背景を持つ個性的な県道です。ダム事業による付け替えを経て整備された良好な道路と、芦田湖に架かるシンボリックな八田原大橋が特徴です。世羅町内の小谷地区と宇津戸地区を結び、地域の交通を支える一方で、美しい湖畔の景観を提供するこの路線は、訪れる人々に快適な通行体験と魅力的な景色を提供しています。

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