広島県道53号沼隈横田港線

広島県道53号沼隈横田港線（ひろしまけんどう53ごう ぬまくまよこたこうせん）は、広島県福山市内に位置する主要地方道です。沼隈町の草深地区を起点とし、かつて島嶼部であった内海町の横島地区を終点として、瀬戸内海に浮かぶ田島、横島へと陸路でアクセスを提供する重要な路線です。

路線の基本情報

この県道の起点は、福山市沼隈町草深の内海大橋入口交差点にあります。ここでは広島県道47号鞆松永線と接続しています。終点は、福山市内海町横島の新睦橋西詰交差点で、広島県道387号横島循環線に接続しています。

路線の総延長および実延長は約5.8キロメートルです。区間の一部、具体的には福山市沼隈町常石から福山市内海町田島にかけての内海大橋を含む部分は、異常気象時に通行規制が行われる場合があります。

沿革

本路線は、当初1979年（昭和54年）7月27日に広島県告示に基づき、広島県道391号内海沼隈線として認定されました。その後、1982年（昭和57年）4月1日に建設省（当時）の告示により主要地方道に指定され、同年8月12日には広島県の告示によって現在の路線番号である53号が付与され、路線名称も沼隈横田港線へと変更されました。

交通の要衝となる内海大橋が1989年（平成元年）10月4日に開通したことで、路線全体が供用開始となり、本土と島嶼部を結ぶ陸上交通が確立されました。1993年（平成5年）5月11日には、建設省から改めて主要地方道としての再指定を受けています。

行政区域の変更も路線の表記に影響を与えました。2003年（平成15年）2月3日には沼隈郡内海町が、そして2005年（平成17年）2月1日には沼隈郡沼隈町がそれぞれ福山市に編入されたため、終点の「沼隈郡内海町横島」および起点の「沼隈郡沼隈町草深」といった表記が、現在の「福山市内海町横島」、「福山市沼隈町草深」へと変更され、路線全域が福山市内に位置することになりました。

特徴的な箇所

本路線が全線開通する以前は、沼隈半島本土と田島の間は内海町営の渡船が運行されており、交通を担っていました。現在でも、田島側にある内海大橋の直下付近には、渡船に関連する観光案内板や案内標識、桟橋跡などが当時の名残として残されています。

終点である新睦橋西詰交差点の名称にある「新睦橋」は、架け替えられた後の橋を指します。かつての睦橋は1951年（昭和26年）に跳開式の可動橋として完成しましたが、1979年（昭和54年）に現在の橋に架け替えられました。旧橋の跡は、現橋のすぐ南側に確認することができます。

また、終点の新睦橋西詰交差点に設置されている信号機は、旧沼隈郡内海町域において唯一のものでした（これは2003年の福山市広報誌「広報ふくやま」でも紹介されています）。交通量が比較的少ないため、点滅信号として運用される時間が長いという特徴があります。

主な構造物

この路線にはいくつかの橋梁が含まれます。

山南川橋：福山市沼隈町草深から沼隈町常石にかけての区間にあり、山南川を渡ります。
内海大橋：福山市沼隈町常石と内海町田島を結ぶ、延長832メートルの長大な橋です。瀬戸内海上に架けられ、島嶼部への重要なアクセス路となっています。
睦橋：福山市内海町田島から内海町横島への区間に位置し、延長219メートルです。

交差する道路と沿線施設

交差する主な道路

広島県道47号鞆松永線（福山市沼隈町草深・内海大橋入口交差点、起点）
広島県道386号田島循環線（福山市内海町田島・内海大橋取付道路入口交差点）
広島県道386号田島循環線（福山市内海町田島・新睦橋東詰交差点）
広島県道387号横島循環線（福山市内海町横島・新睦橋西詰交差点、終点）

主な沿線施設

内海郵便局
内海ふれあいホール

この県道は、かつて海上交通に頼っていた本土と島嶼部の間のアクセスを飛躍的に向上させ、地域の生活や経済活動に大きく貢献しています。

関連項目

広島県の県道一覧

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