広島音楽高等学校

広島音楽高等学校

広島音楽高等学校は、広島県広島市西区己斐東一丁目に位置していた私立の音楽専門高等学校です。学校法人見真学園によって運営され、龍谷総合学園に加盟していました。1949年に設立され、長年にわたり音楽教育に貢献してきましたが、2022年3月末をもって閉校しました。

概要

広島音楽高等学校は、音楽に特化した教育を提供しており、以下の学科を設けていました。

声楽科: 声楽の専門的な技術と知識を学び、将来のソリストや合唱指導者を目指す。
器楽科: ピアノ、管楽器、弦楽器など、様々な楽器の演奏技術を磨き、オーケストラやアンサンブルでの活動を目指す。
作曲科: 作曲や編曲の理論と技術を学び、独自の音楽作品を創造する能力を養う。
舞台芸術科: 演劇、ミュージカル、ダンスなど、舞台芸術全般を幅広く学び、舞台での表現力を高める。

これらの学科を通じて、生徒たちはそれぞれの専門分野で高度な技術と知識を習得し、音楽家としての才能を開花させていきました。

沿革

広島音楽高等学校は、以下の様な歴史を辿ってきました。

1949年: 蓮如上人450回忌法要記念事業として、財団法人広島真宗財団により広島市小町（現在の中区中町）に創設されました。
1951年: 設置法人名を学校法人広島音楽高等学校に改称しました。
1973年: 設置法人名を学校法人見真学園に改称し、現在地（広島市西区）に校舎を新築移転しました。
1974年: 見真幼稚園を併設しました。
1975年: 広島音楽アカデミーを併設し、音楽教育の幅を広げました。
2005年: 舞台芸術科を開設し、より多様な音楽表現を学べる環境を整えました。
2015年: 生徒募集を停止しました。
2017年: 休校となりました。
2022年: 廃校となり、その歴史に幕を閉じました。

著名な出身者

広島音楽高等学校は、多くの才能ある音楽家を輩出してきました。以下は、その一部です。

副島優子: アコーディオニスト、絵本作家として活躍しています。
平岩英子: シンガーソングライターとして、独自の音楽スタイルを確立しています。
萩原麻未: ピアニストとして国内外で演奏活動を行っています。
大瀬戸千嶋: インストゥルメンタルアーティストとして、独自の音楽世界を創造しています。
野々村彩乃: ソプラノ歌手として、数々の舞台で活躍しています。また、在学中には、選抜高等学校野球大会開会式で国歌独唱を務めました。
高野菜々: 舞台女優、声優として幅広いジャンルで活躍しています。
Minnie P.: 音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、ボイストレーナーとして、多岐にわたる音楽活動を行っています。

校長による生徒への暴言と裁判

2010年、同校に入学した女子生徒が、当時の校長から服装や生活態度について指導を受けた際、「邪魔」「本当にむかつく」などの暴言を受けました。この暴言により、生徒は抑鬱状態となり、2011年4月に自主退学を余儀なくされました。

広島弁護士会は、校長の暴言が人権侵害に当たるとして、2011年3月に校長や見真学園に対して警告を行いました。しかし、元生徒が広島地裁に500万円の損害賠償を求めた訴訟では、2013年2月15日に「教育的指導からは逸脱していない」として棄却されました。この事件は、教育現場における指導のあり方について議論を呼ぶきっかけとなりました。

その他

廃校の理由については、校長による生徒への不祥事との因果関係は公表されておらず、真相は不明です。しかし、この事件は学校の運営に大きな影響を与えたと考えられます。

関連項目

広島県高等学校一覧
日本の音楽科設置高等学校一覧
龍谷総合学園

外部リンク

広島音楽高等学校 at the Wayback Machine (archived 2021年12月28日)

脚注

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