広州 (広東省)

広州（廣州）とは：中国にかつて存在した州の解説

広州（こうしゅう）は、中国の歴史の中で重要な役割を果たした州の一つです。三国時代から元代初期にかけて、現在の広東省広州市周辺に位置していました。その成立から変遷までを詳しく見ていきましょう。

三国時代から南北朝時代にかけての広州

広州が最初に設置されたのは、226年（呉の黄武5年）のことです。呉が交州の東部を分割し、南海・蒼梧・鬱林・高涼の4郡を管轄する広州を新設しました。これは、交州の実力者であった士燮の死後、呉がその支配を強化するために行った措置でした。しかし、士燮一族の反抗により、一時的に廃止され交州に統合されます。その後、264年（永安7年）に交州で呂興の反乱が起こると、再び広州が設置されました。279年には、広州で郭馬が反乱を起こし、呉の滅亡のきっかけの一つとなりました。

晋の時代になると、広州は南海・臨賀・始安・始興・蒼梧・鬱林・桂林・高涼・高興・寧浦の10郡を管轄するようになりました。南朝時代に入ると、宋の時代には南海・蒼梧・晋康・新寧など18郡、斉の時代には南海・東官・義安・新寧など23郡を管轄するようになり、その範囲は拡大していきました。

隋代の広州

589年（開皇9年）、隋が陳を滅ぼすと、広州の属郡は廃止されました。601年（仁寿元年）には、広州は番州と改称されます。しかし、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、番州は南海郡と改称され、15県を管轄するようになりました。

唐代の広州

621年（武徳4年）、唐が蕭銑を滅ぼすと、南海郡は再び広州と改められました。その後、742年（天宝元年）に南海郡と改称されますが、758年（乾元元年）には再び広州の名称に戻りました。唐代の広州は嶺南道に属し、南海・番禺・増城など10県を管轄していました。

宋代から元代へ

北宋の時代、広州は広南東路に属し、南海・番禺・増城など8県を管轄していました。南宋の時代には、香山県が加増されています。1278年（至元15年）には、元により広州路と改められました。広州路は江西等処行中書省に属し、録事司と南海・番禺・増城など7県を管轄しました。

明代以降の広州

1368年（洪武元年）、明により広州路は広州府と改められました。広州府は広東省に属し、直属の南海・番禺・順徳など13県と、連州に属する陽山・連山の2県、合わせて1州15県を管轄しました。清の時代にも、広州府は広東省に属し、南海・番禺・順徳など14県を管轄していました。1913年、中華民国により広州府は廃止され、その歴史に幕を閉じました。

このように、広州は時代とともにその名称や管轄範囲を変えながら、中国の歴史の中で重要な役割を果たしてきたのです。

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