広州軍区

広州軍区の概要

広州軍区（こうしゅうぐんく、Guangzhou Junqu）は、中国人民解放軍の七つの軍区の一つであり、中国南部の防衛を担当しています。特にベトナムとの国境地域に力を入れており、中越戦争以来残る国境の問題にも影響を与えています。広州軍区の管轄には、第41集団軍と第42集団軍、海南軍区の第132師団、さらには機動武装警察の第126師団が含まれます。

軍区の構成と指導者

広州軍区の司令部は、広東省の広州に位置しており、軍区の指導者には徐粉林上将（司令員）や魏亮上将（政治委員）などがいます。副司令員には賈曉煒中将や陳照海中将、軍区の参謀長には劉小午少将が就いています。これらの指導者たちは、それぞれ中国の異なる地域出身で、地域の防衛における知識と経験を活かしています。

管轄区域

広州軍区の管轄区域には、広東省、広西チワン族自治区、海南省、湖南省、そして湖北省が含まれています。この広範囲に及ぶ管轄のおかげで、軍区は南部防衛を強化しています。

歴代司令員と政治委員

広州軍区は多くの司令員と政治委員を歴任してきました。例えば、初代の司令員は黄永勝であり、1968年までその任についています。その後も李天佑や丁盛、許世友といった様々な指導者がこの地を治めてきました。また、歴代の政治委員も軍区の戦略に関与しており、華国鋒や習仲勲などもその中に名を連ねています。

配属部隊

この軍区には二つの主要集団軍があり、それぞれが特定の部隊を指揮しています。第41集団軍は乙類集団軍として編成され、複数の師団と旅団からなっています。一方、第42集団軍もあわせて、機械化部隊や防空旅団など、多岐にわたる部隊を保持しています。

空軍との関連

広州軍区の空軍は命令系統上独自の組織ではありますが、地元では軍区の管轄下にあります。空軍の司令部は武漢基地にあり、空軍第7軍や第15軍など、数多くの航空部隊を指揮しています。

現代における役割

2016年2月1日には、広州軍区は南部戦区に移行し、香港特別行政区やマカオ特別行政区を含む新たな管轄区域が設けられました。これにより、広州軍区はより広範囲に及ぶ防衛任務を持ち、地域の安定に貢献しています。

まとめ

広州軍区は、中国の南部防衛を担う重要な軍区であり、その構成や歴史が示すように、国境に関する複雑な問題を抱えています。未来に向けて、広州軍区は地域の安全保障に重要な役割を果たし続けることでしょう。

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