第42集団軍

第42集団軍とは

第42集団軍（第42集团军）は、中国人民解放軍陸軍に属する軍級の部隊です。この部隊は乙類集団軍に分類され、広州軍区に所属しています。台湾解放作戦において南翼の主攻部隊としての役割が期待されています。

歴史の始まり

第42集団軍の起源は1948年に遡ります。当時、東北野戦軍に所属していた第5縦隊がその前身となっており、この部隊は全野戦軍の中で唯一「第5」という数字を名乗っていました。この名はスパイを示唆するものとして忌避されていたため、特に注目される存在でした。部隊は遼瀋戦役や平津戦役に参加し、特に遼瀋戦役では280kmの行軍を強行し、敵の退路を遮断して1万7千人の敵兵を撃破し、第1軍軍長の文小山中将を捕虜にしました。その後、河南に留まり残敵掃討を行いました。

朝鮮戦争への関与

1950年にはチチハルに移動し、朝鮮戦争が勃発すると第13兵団に編入されて朝鮮半島に進出しました。第1次戦役では、配下の第124師がアメリカ海兵隊第1海兵師団に対する防衛任務を果たし、第2次戦役では第38軍と共同で浸透作戦を行いましたが、捕捉には失敗しました。第3次戦役では、第66軍と共に38度線を突破し、韓国陸軍の5師団と7師団を撃退しました。

栄誉と帰国

第3次戦役の後、第124師は中国人民志願軍の中で最良の3個師団の一つとして称賛され、1952年の帰国時には金日成首相自らが見送り、北京に到達した際には朱徳総司令が出迎えました。帰国後は華南に駐屯することとなり、中華民国軍の大陸反攻に備えました。

中越戦争とその後

1979年の中越戦争では、東部の主攻部隊として活躍し、ベトナム軍の第308歩兵師団の防衛線を突破しました。1980年代に入ると軍縮が行われ、第42集団軍は乙類に分類されましたが、1996年の台湾海峡危機以降は再び重要視され、甲類に準じた重装備が導入されました。現在では第15空降軍との協力による空挺訓練や、南海艦隊との共同上陸作戦演習を行っています。

編成の現状

第42集団軍の司令部は広東省恵州市に所在し、以下の部隊が配属されています:

• - 第124機械化師団（広東省博羅長寧）
• - 第163自動化歩兵師団（広東省潮州）
• - 第1砲兵師団（韶関市曲江県城馬填鎮）
• - 第9装甲旅団（広東省花都）
• - 防空旅団（広東省潮州）
• - 第6陸軍航空連隊（広東省仏山三水）
• - 電子対抗連隊（広東省広州花都）
• - 通信連隊（広東省恵陽鎮隆鎮）
• - 工兵連隊（広東省恵陽）
• - 化学防護連隊（広東省深圳市平湖鎮）
• - 教導大隊（広東省恵州）
• - 司訓大隊（広東省東莞黄江鎮）
• - 特種大隊（広東省広州天河）

このように、第42集団軍はその歴史と役割を通じて、中国人民解放軍の中で重要な位置を占めています。

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