広田宗

廣田 宗の生涯と業績

廣田 宗（ひろた そう）は、1909年10月20日に大分県で生まれました。彼のキャリアは、1932年に旧制東京商科大学（現・一橋大学）を卒業した後、三菱銀行に入行するところから始まります。銀行では四日市や熱田の支店長を経て、さまざまな要職を歴任し、最終的に取締役にまで昇進しました。

小田急電鉄への道のり

1963年、廣田の優れた人柄と深い知識を評価した小田急電鉄社長の安藤楢六は、当時の三菱銀行頭取であった宇佐美洵に頼み込み、彼を小田急グループに迎え入れました。この翌年には、廣田は小田急百貨店の専務に就任し、その後1964年に小田急電鉄に移籍し取締役に任命されました。その翌年には専務に昇進し、1969年には社長に就任します。

社長に就任してからの彼の手腕は顕著であり、1981年には会長職に退きつつも、ホテル小田急の社長を兼任しました。廣田はその在任期間中にホテル業界の革新に取り組み、「リージェンシークラブフロア」と呼ばれる特別客室の拡大や、女性スタッフによるサービスの導入に成功しました。また、1984年に開業したヒルトン東京に対抗するため、競争力を強化する施策を講じました。

業界への貢献

廣田は1979年から1981年までの間、日本民営鉄道協会の会長を務め、運賃値上げ問題にも積極的に関与しました。また、観光政策にも関心を寄せ、総理府観光政策審議会の委員としての役割を果たしました。さらには、相模鉄道の取締役や財団法人安藤記念奨学財団の初代理事長を務めるなど、多面的に日本の交通業界や観光業の発展に寄与しました。

晩年と死

廣田は小田急電鉄の会長在任中の1986年11月29日に、東京都多摩市桜ヶ丘の自宅にて逝去しました。享年は77歳でした。彼の業績は、今でも小田急電鉄及び日本の交通業界において記憶されており、多くの人々にその影響を与え続けています。廣田宗は、実業界における優れたリーダーとしての姿勢を示した、日本の重要な実業家であったことに疑いはありません。

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